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「ジェネリック医薬品=粗悪品」は間違い…先発薬より優れて安価、効果効能・安全性は同等

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「Thinkstock」より

 国が医療費の削減を目指し、その使用を推奨するジェネリック医薬品。だが、医療現場での患者の反応は、必ずしも前向きではない。一部週刊誌などでジェネリックの危険性などが過剰アナウンスされていることもあり、いまだに「ジェネリック=粗悪品」と考えている人がいる。

 確かに、厳密にいえばジェネリックは「先発医薬品とほぼ同等な医薬品」であり、まったく同じではない。しかし近年、先発医薬品とまったく同じ「オーソライズドジェネリック(AG)」と呼ばれる医薬品が製造されるようになった。まだ知名度の低いAGだが、今後ジェネリックの主流になることは間違いない。

 AGとは、先発医薬品メーカーから許諾を得て製造された原薬、添加物および製造法等が先発医薬品とまったく同一のジェネリックである。シェア確保のため、先発メーカーと同系列もしくはグループの製薬会社で、先発医薬品と同じ製造ラインでつくられているものも多い。そうなると、AGを使用しない理由は見当たらなくなる。しかし、まだ一部の医薬品しかAGがつくられていないため、今後の普及が待たれるところだ。

 AGは、先発医薬品とまったく同一の成分であるため、その安全性も先発医薬品と同じだ。一方、従来のジェネリックは、先述したようにネガティブ報道の影響から「粗悪品」というイメージを持つ人もいるが、その考えは間違いだ。ジェネリックも厚生労働省の承認を受けた薬で、一定の基準を満たしており、その安全性も信頼できる。

 また、ジェネリックを製造する際、先発医薬品の欠点を改良したものも多く、それは「付加価値ジェネリック」と呼ばれる。付加価値ジェネリックには、飲みやすさや使いやすさ、管理のしやすさ、 医療過誤防止 などの点で改良されているものがある。水なしで飲める口腔内崩壊錠は、付加価値ジェネリックの代表的なものだ。先発医薬品の特許期間は約10年で、その間にさらに研究され、先発医薬品の欠点を改良したジェネリックは、粗悪品どころか先発医薬品より優れた製品ともいえる。

 ジェネリックは、先発医薬品と「ほぼ同等」であって「原薬、添加物、製造法等」が異なるものがあるのは事実だ。先発医薬品とジェネリックでは、その効果発現までの時間にわずかな差があったり、半減期(薬成分の血中濃度が半分に低下するまでの時間)が異なるものもある。しかし、そういった違いがあっても、薬の効能効果がほぼ同じなのがジェネリックだ。

 長年にわたって先発医薬品を服用していた患者がジェネリックに替えた場合、違和感を持つ可能性は否定できないが、その違和感が効果の違いや健康被害を引き起こすわけではない。

 AG、ジェネリッック、先発医薬品とあるが、選ぶのは患者だ。AGやジェネリックを選ぶ場合のメリットは、価格である。安価なジェネリックの使用が、国の医療費削減につながるばかりでなく、患者の自己負担額も大きく軽減する。ジェネリックは一般的に、先発医薬品に比べて3~5割程度、安価となる。安いからといって、ジェネリックは粗悪品なわけではない。間違った報道に惑わされず、賢い選択をしていただきたい。
(文=吉澤恵理/薬剤師)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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