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【森友問題】籠池氏は逮捕、背任罪の財務省主犯者は国税庁長官に栄転…国家の破滅

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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 福田康夫元首相はこうした状況を「国家の破滅に近づいている」と評している。国家財政を支えている税金を徴収する執行官庁である国税庁5万人のトップに、権力者を忖度し、国会で虚偽の発言続けた佐川氏を就任させたのである。通常行われる国税庁長官就任の会見すらできない事態は、国家の破滅といわねばならない。安倍首相への同調者か、批判者かという基準で、ポストを与えるか弾圧するかを識別するという「法治国家からの転落」が新たな段階に入ったといえる。

 本稿では、森友問題は何が問題になり、現状どこまで解決し、籠池氏逮捕の意味は何かを明らかにし、今後の課題を考えたい。

何ひとつ解決していない森友問題で問われたこと

 森友問題で最も問われたのは、安倍首相の縁故者への便宜供与である。この問題が取り上げられた後、国会での議論やメディアで注目された問題点は、大きくは以下の3点である。籠池氏逮捕は、これらの問題点の解決につながったであろうか。

(1)安倍首相と夫人・昭恵氏の関与

 今年2月、国会での民進党の福島伸享衆議院議員の質問に、安倍首相が「私も妻も一切かかわっていない。もしかかわっていたら総理も、国会議員も辞任する」と答弁。これに対して籠池氏は、3月16日の参議院議員の現地視察の際に、昭恵氏から100万円の寄付をもらったと発言し、引き続き国会での証人喚問でもこの事実を詳細に語った。

 一方、当事者の昭恵氏は「記憶にない」と否定し、お付きの谷査恵子元秘書も否定したが、これら寄付の事実を否定する当事者は、証人喚問はもちろん、参考人招致にも応じず、記者会見すら行っていない。谷氏に至ってはイタリア大使館の一等書記官へ異動になり、証人隠しと批判されている。

 客観的に見たときには、関与の事実、100万円寄付の有無については、証人喚問に応じた籠池氏に軍配が上がっている。安倍首相は次の国会で過去の答弁の虚実を明らかにし、出処進退を示すべきである。

(2)財務省と国土交通省の忖度の内容

 森友学園が小学校を開校するためには、学校法人としての認可を大阪府から受けることが必要であった。一方、法人としての認可要件には、校舎を建設できる用地の確保が求められ、国有地の払い下げを優先的に受けるためには、学校法人であることが必要不可欠であった。「卵が先か、鶏が先か」という「難題」を抱えていたのが、森友学園であった。

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