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椎名民生「儲かる?気になるビジネスモデルを追え!」

変なホテル、泊まったらヒドかった…コストカット優先で客を動き回らせる、顧客目線ゼロ

文=椎名民生

8月×日 「変なホテル舞浜 東京ベイ

 朝からTDRで遊び回ったため、暑くなった午後はいったんリゾートを出て「変なホテル舞浜東京ベイ」へチェックインし、シャワーを浴びて少し仮眠することにした。ホームページではTDRから「徒歩圏内」とあるが、歩くのはかなり厳しい。20~30分かかるうえに、ひたすら浦安の住宅街を歩かされる。「夢の国」の魔法が一気に覚める立地だ。とはいえ、目の前に牛丼チェーンの松屋やドラッグストアがあり、ビジネスホテルを利用するビジネスパーソンにとっては最高の立地といえるかもしれない。

 チェックイン開始は午後3時だが、少し早めに着いた。通常のホテルでは、早めに到着しても清掃が終わった部屋から順次チェックインが行われる。案内を待つ間も、広めのラウンジでインターネットを見ながら、ゆったりソファーで待つことができる。ところが、「変なホテル 舞浜東京ベイ」のチェックインは機械式のため、3時までは受付の電源が入らず、ラウンジで待つことになる。しかも、多くの客が早めに到着しており、ラウンジは家族連れが多い上に、ラウンジには同ホテル名物の大きな恐竜が鎮座しているため、ソファーがほとんどない。つまり、ひたすら3時まで動かない機械の恐竜の前で順番待ちで立たされるのだ。

 3時になるとスタッフが受付の電源を入れ、恐竜たちが動き出し、受付が進む。部屋に入ると、内装は「変なホテル ハウステンボス」とほぼ同じだが、やや狭い。東京のビジネスホテルでありがちな、部屋にはベッドだけという、「完全顧客無視」「利益最優先」のつくり。

 朝食は、よくありがちなビジネスホテルの朝食と変わらない内容だった。アイロンや加湿器を使用するためには、ロビーまで借りに行く必要がある。チェックアウトも、ハウステンボスと同様、ルームカードキーをただ機械に差し込むだけで、タクシーは自分で呼ぶ必要がある。客のニーズや統計パターンでタクシーを自動で配車してくれるようなサービスはまったくない。

 結論。「変なホテル」とは「世界一生産性の高いホテル」を目指しているだけで、実際はいかに従業員をカットするかを追求したホテルで、サービスは二の次となっている。子供が喜ぶ夏のイベントにすぎない。

「変なホテル」は、愛知県蒲郡市のラグーナテンボスに3号棟を今夏、オープン。今後は海外でも出店を加速させ、5年以内に100棟以上を展開する計画だというが、恐竜という著作権フリーのキャラクターを前面に押し出し、コストカットを最大限に追求した、顧客目線ゼロのホテルビジネスがどこまで受け入れられるか、注目したい。
(文=椎名民生)

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