ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 中国人、越境ECで日本製品を爆買い  > 2ページ目
NEW

中国人の爆買い、実は終わっていないと判明…中国内では簡単にネット通販で日本の商品を入手

構成=長井雄一朗/ライター
【この記事のキーワード】, , , ,

「養命酒やブランド米も扱いたい」

――「ワンドウ」を拝見しましたが、商品を映像で紹介するというのは新しい試みですね。そして、いずれも素晴らしい出来栄えです。

 映像は大きな武器です。商品紹介映像は月に10~20件、年間200件ほど撮影して、商品と共にアップします。たとえば化粧品であれば、どのように使えばより効果的に美しくなるかを実演することで、商品の良さを伝えます。

「鯖江のメガネ」は日本では高級ブランドですが、中国では知られていません。そこで、メガネ職人に光を当てて職人の匠の技を映像化しました。6月からは味の素と提携しており、味の素の商品を使ったおいしい料理の調理法についての映像も制作しました。

 ほかの商品ではなく、この日本の商品を買う価値はどこにあるのか。それを映像で丁寧に紹介することによって、日本の商品のブランド価値がより高まっていくと考えています。

――味の素のほかにカゴメなどの大手企業も提携しています。ほかにも、数多くの企業が提携に前向きだという話を聞いています。

 日本は少子高齢化によって国内の高成長が望めないため、企業は国外への進出を本格的に考えなければならないときにきています。従来の貿易、つまり中国のスーパーマーケットなどで日本の商品を売るという方法と共に、越境ECでの販売に本格的に乗り出そうと考えたのではないでしょうか。

 日本企業が自前で越境ECを行うという手もありますが、そのための部門や担当者、ノウハウなどがないでしょう。そのため、弊社のように日本の社会や商品に寄り添う企業と提携を行い、中国での販売に力を入れようとしているのだと思います。

 中国での販売を拡大したい日本企業と、そのためのノウハウとプラットフォームを持つ弊社が手を組めば、ウィン・ウィンの関係になります。

――これからは“老舗企業”との協業に力を入れると聞いていますが。

 中国ではまだ知られていませんが、日本企業がつくる素晴らしい商品は数多くあります。日本で知名度があり、100年以上続く商品を紹介したいという思いがあります。生鮮食品は越境ECに向いていませんが、加工食品である伝統的な和菓子、海苔、医薬品や「養命酒」のような商品も扱ってみたいと考えています。

 また、コメも検討中です。送料が割高になったり精米は神奈川県のある企業に限定されたりといったデメリットがありますが、日本には優れたブランド米があり、今後も各地から新たなブランド米が発売されると聞いています。日本のブランド米を、ぜひ中国人にも味わってもらいたいです。

「2年後には、取扱高1000億円を目指す」

――翁社長の略歴を教えてください。

 1988年に来日し、96年に伊藤忠商事に入社。その後、2014年にインアゴーラを起業しました。

――現在の業績と、今後の目標は。

 現在 出店企業数は190社、取り扱いブランドは約2000、取扱商品数は2万7500、アプリダウンロード数は200万です。19年には、取扱高1000億円を目指します。

 越境ECに消極的だった日本企業も、積極的な姿勢に変わりつつあります。日本企業(メーカー)、物流網、弊社が三位一体となって、よりよい仕組みをつくっていきたいと考えています。また、物流、コンテンツ、商品知識に詳しい人材を積極的に採用し、業務の拡大を図ります。
(構成=長井雄一朗/ライター)

中国人の爆買い、実は終わっていないと判明…中国内では簡単にネット通販で日本の商品を入手のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!