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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!

マックとユニクロ、外から見えない「儲かる仕組み」…レシートに「ミズ¥0」印字、レイアウトはスーパーに酷似

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー

マクドナルドの優れたビジネスモデル

 たとえば、マクドナルドを取り上げてみよう。マクドナルドでハンバーガーを食べたことがある人は多いが、マクドナルドのビジネスシステムに気づいている人は極めて少ない。あなたはいかがだろうか。

 マクドナルドでは、まずカウンターで注文をしてお金を払い、その後にトレイに載せられた商品を受け取り、席に移動して食事をし、終わったらゴミを分別してゴミ箱に捨てて店を出て行く、という流れになっている。ほとんどの人が何も疑問に思わずに一連の動作を行うが、よく考えてみると、これがとても奇妙であることに気づくはずだ。

 普通のレストランと比較してみると、それが明確になる。普通のレストランでは、まず席に座って、店員が注文を取りに来て、その後に料理が運ばれ、食事が終われば食器等をテーブルに置いたままお金を払って店を出て行く。マクドナルドと流れがまったく異なる。マクドナルドでは、お客が無給で働いていることに気づいているだろうか。料理を運んだり、ゴミを分別して捨てたりするのは、レストランでは店員の仕事だ。

 マクドナルドのビジネスシステムは、セルフサービスを究極までに追求したシステムであり、それをお客に苦痛と思わせることなく自然な流れに組み込んでいる。さらにマクドナルドでは、効率を徹底的に極めていることにも気づくはずだ。どこのマクドナルドでも厨房での動きを見ることができるので、そこで行われている調理の仕組みにマクドナルドの優れた効率化の仕組みを学ぶことができるはずだ。

 マクドナルドの実質的創業者であるレイ・クロックのサクセスストーリーを描いた映画『ファウンダー』(レイ・クロックの自叙伝『成功はゴミ箱の中に』がベース)では、レイが初めてマクドナルド兄弟の経営するハンバーガー店を訪れた時の様子をリアルに再現している。

 カウンターでハンバーガーを注文すると、すぐに紙に包まれたハンバーガーが出てきてレイは非常に驚く。当時は注文して数十分も待たされるのが当たり前だったからだ。しかし、このハンバーガー店では、まるでフォード自動車のベルトコンベア方式のように流れ作業で次々にハンバーガーをつくりだし、お客は待たずにハンバーガーを食べられる仕組みが完成していたのだ。さらにレイは、紙に包まれたハンバーガーを見て、店員にこう質問する。

「皿やナイフとフォークはどこにあるんだい?」

 1950年代当時は、食事といえば皿の上に料理が載っており、それをナイフとフォークで食べるのが常識だった。レイが驚くのも無理はない。

 店員は、「そのまま紙を開いて食べてください。食べ終わったら紙をゴミ箱に捨ててください」と答えた。レイは驚きながら周りを見渡すと、大人も子供も、紙に包まれたハンバーガーを持ったまま食べている。食べ終わったら紙をゴミ箱に捨てて帰って行く。レイはマクドナルド兄弟が発明した、この驚くべきビジネスシステムの虜になり、これを全米に普及しようと決断する。

 全世界にマクドナルドが普及した今日では、レイ・クロックが驚嘆したほどの感動を感じる人はいないだろう。しかし、冷静な目で観察すれば、マクドナルドの店内に、優れたビジネスシステムをいくつも発見することができる。

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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