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「打倒・安倍政権」しか叫べない空虚な民進党…代表選も空虚な理念の言い合い

文=室伏謙一/政策コンサルタント、室伏政策研究室代表
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理念がまったくない民進党

 次に、都民ファーストの会や日本ファーストの会との連携については、そもそも先方が理念や政策をこれからつくっていこうという段階だ。日本ファーストの会が今後どう化けるのか、海のものとも山のものともつかない段階で、連携などという話は出てきようがない。やはり、それよりも民進党新代表としての理念や政策が第一のはずだが、前原氏は日本ファーストの会がこれから立案する理念や政策に迎合しようとしているように見え、枝野氏は端から否定的な態度を取ることで予防線を張っているようにも見える。

 いずれにせよ、「何をやるか」が見事なまでにないがしろにされていることは確かだろう。そして政策不在か、少なくとも政策は二の次、三の次であることが見て取れる。

 無論、理念らしきものや政策の各論は限定的には示されている。

 たとえば、前原氏の“理念になっていない理念”については先に触れたとおりだが、同時に同氏は政権批判の受け皿、政権交替可能な政党を目指すことも掲げている。しかし、この主張はよく考えてみればおかしな話で、自分たち民進党がどうであるか、何をするのかが先にあって政権交替や、批判の受け皿となるべきところだが、それがない、もしくは曖昧なまま、政権交替可能な政党と掲げているのだから、自民党、特に現在の政権与党の存在と継続が前提となっている。

 これは「打倒安倍政権」「アベ政治を許さない」といったスローガンを旗印に、兎にも角にも現政権打倒を掲げて、その後のことへの意識が希薄な“反安倍勢力”と本質的には同じだ。つまるところ、「政権交替可能」の旗は立てつつも、あくまでも批判の受け皿として支持を集め、野党第一党の地位に安住できればいいと内心は思っているように見える。だから政策は二の次、三の次ということであれば、腑に落ちる。

 枝野氏にしても、「認め合い、寄り添い、支え合う」社会を目指すとしているが、この国をどうしていくのか、どのような社会にしていくのか、それを民進党としてどう引っ張っていくのかという基本的な考え方を示すべき理念としては、あまりにも空虚で貧弱であると言わざるを得ない。前原氏の理念よりはマシかもしれないが、“団栗の背比べ”だ。

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