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メディアを勘違いし「権力に立ち向かう男」のヒロイズムに酔った籠池氏

森友学園、幼稚園で非人道的行為…「要支援児」利用しカネ詐取、国有地払い下げより悪質

文=粟野仁雄/ジャーナリスト
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マスコミへの勘違い

 さて、一連の経緯を見ていると、籠池夫妻はマスコミを勘違いしている気がする。逮捕前、籠池氏は「国策捜査ですから逮捕されるんでしょう」と発言していた。まさにヒロイズムに酔ってしまっている。

 地検職員が来る時にあらかじめテレビ局員を自宅に招き入れておくなど、メディアへの驚くべきサービス精神を見せたが、記者たちが自分たちの側についていると思いこんでいる。当然、メディアも政権の巨悪を暴かんと接近している面もあるが、その特異なキャラクターからも一挙手一投足、一言一言がトップニュースになるなか、記者たちは少しでも籠池氏に近づきたく鎬を削っているのだ。

 籠池氏が国会の証人喚問で、権力を恐れずに発言していたことも事実だが、持ち上げられるなかで「俺は権力に対峙する英雄。マスコミもそう思っているはず」と思い込んでしまったようだ。

 当初、森友が運営する幼稚園のとんでもない対応について被害保護者の代弁をしていたノンフィクション作家の菅野完氏はその後、籠池氏の懐深くに飛び込み、情報を発信している。政権の巨悪を暴く目的とはいえ、テレビの視聴者には一時期、籠池氏のスポークスマンかと誤解されかねない印象もあった。ある事情通は、こう分析する。

「長男とともに出てきた3月10日の最初の会見で籠池氏は、メディアに敵対的な態度をとっていたが、その後大きく変わった。恐らく菅野氏が『マスコミと敵対しないほうがいい』と、マスコミ対策の知恵を授けたのでしょう」

 小学校建設地取得に際し3種類の契約書を作成して補助金を詐取した件よりも、幼稚園に関する補助金詐取のほうがより悪質である。幼稚園のPTAの収支に疑問を投じたら子供を退園させられたというある母親は、子供の卵アレルギーを園に報告したら要支援児の補助金申請に勝手に使われた。その母親はこう話す。

「籠池さんをかわいそうだという人がいるが、それは違うのではないか」

 籠池氏も、そろそろ“英雄気取り”は納め時だろう。
(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

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