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「富山人は採らない」発言の不二越、多様な人材採用のため本社を東京へ移転

文=編集部

 不二越は20年度に売上高4000億円、営業利益600億円の目標を掲げる。16年の実績比で売上高は1.9倍、営業利益は5.4倍(16年の実績は111億円)。海外売上高比率は50%を超える見通しとしている。この強気の目標をロボット部門の強化で達成するという計画を立てている。

 ロボット部門の16年の売上高は224億円。全社売上の1割程度にとどまる。16年にロボット事業を強化すべく人員を拡充した。ロボット開発に50人、ロボット営業に90人、システム生産に100人の総計240人だ。

 産業用ロボットは工作機械などと並んで日本のお家芸といわれ、年間出荷額は世界一を誇る。溶接や組み立て、塗装などの作業をする産業用ロボットは多関節ロボットと電子部品実装機に大別される。人の腕のように複数の関節を持ち自動車の塗装に使われる多関節ロボットはファナックと安川電機、ドイツのクーカ、スイスのABBが世界の4強だ。

 ロボット部門の売り上げは、ファナックが1900億円、安川電機が1400億円(いずれも17年3月期実績)。不二越のロボット部門(224億円)のはるか先を行っている。ファナックや安川電機に追撃すべく、ソフトウェアに特化した大卒を積極的に採用する。

 富山が本社では人が集まらないので東京に本社を移す。「広く人材を求めるため東京を本社にする」といえば済むことなのに、「富山育ちは採らない」などと言わずもがなのことを口走ったのだ。

 不二越の18年3月の募集要項によると、ロボットや工作機械のなどの制御できる電気系、工具や機械部品の材料開発、熱処理コーディング分野の材料系、ソフトウェアの開発・設計に適する情報・数学・物理系を求めている。世界市場で業容を拡大するために語学が堪能なことが条件だ。

 本間博会長の失言で、知名度だけは高まった不二越。はたして富山県出身者ではない多様な人材を集めることができるのだろうか。地元の富山大学工学部の学生にソデにされるといった、笑えない事態にならないことを願う。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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