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「前代未聞で、予測不能」な時代に突入しつつある大相撲、九月場所の見どころとは?

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 近年の大相撲では、基本的には力士の大型化が進んでいる。トレーニング技術の向上、取組のスピード化、日本人の体格向上など、その理由は諸説あるが、ハワイ系の外国人力士たちが土俵を席巻した時代に、彼らに対抗するために多くの力士が体重を増加させた流れが現在も続いている。

 体重という観点で見ると、150キロ台の白鵬ですら幕内力士としては平均の範疇だ。170キロ台の稀勢の里も、取り立てて大きいわけではない。大きな力士たちが土俵をダイナミックに動き回ることが今の相撲の大きな魅力の一つである。

 だからこそ、舞の海以降でインパクトを残した小兵力士はそう存在しなかったわけである。彼らは現代の潮流である“大きな相撲”に対抗する術を有していなかったのだ。相撲は小さな土俵の中から相手を出すか、倒すかしたほうが勝ちという競技だ。力士たちは大型化しているが、彼らはスピードを殺さずに体格を向上させている。早くて大きいのだから、強いはずである。小兵力士が姿を消したのは仕方がないことだと理解せざるを得なかった。

 しかし、ついに最近、幕内で活躍する小兵力士が現れたのである。その代表格が、宇良と石浦だ。

 宇良は大学時代は65キロ級の選手だった。だが、大学在学中に無差別級に転向し、卒業前にはテレビのバラエティ番組でも取り上げられるほど珍しい存在であったともいえる。角界入りした後も、レスリングをベースとした動きで大型力士たちを攪乱し、入門からわずか2年半で幕内上位にまで昇進した。

 宇良の取組で記憶に新しいのは、今年の名古屋場所での高安との対戦だろう。あの時宇良は徳俵まで一旦後退し、そこから勢いをつけて高安に襲い掛かるという誰もが見たことのない取組を披露し、敗れはしたものの、新大関・高安を追い詰めた。そして同じ場所では、日馬富士を相手に初金星を挙げる活躍を見せた。

 石浦は、大学卒業後に角界入りしなかった力士だ。オーストラリアで語学留学をしながらアマチュアで相撲を取り続けている最中に、大学で同期だった力士のプロでの活躍に触発されて角界入り。なお、この頃にハリウッド映画出演の話もあったというから驚きだ。彼もまた小柄ながら、立合の変化や八艘飛び、変化に富んだ取口で自分のペースに持ち込む。だが、幕内の力士の圧力にも対抗できるだけの体が有るので、トリッキーな取口だけではないのが一つの魅力だ。

 小兵力士が大きな力士を翻弄する様子は、無差別級しか存在しない大相撲の大きな魅力だ。宇良や石浦が土俵を沸かせる姿に注目していただきたい。

 横綱も大関候補も脇を固める力士たちも皆、予測ができない時代に突入しつつある大相撲。九月場所では、彼らがどのような歴史とドラマを産むのか、目が離せない。
(文=西尾 克洋/相撲ライター) 

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