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深く考えず実家を相続→毎年多額税金地獄…売却も賃貸も活用もできず方策なし

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周辺の人に破格あるいは無償で譲渡する

 売却はできなかったのですが、周辺で農業を営む親族あるいは第三者がいることは間違いないので、そういった周辺の方に破格あるいは無償で譲渡するということも考えました。もちろん、相手があっての話ですが、問題となってしまった土地・家屋を手放すには、このケースではもっとも可能性が高い方法でした。

 今は疎遠になってしまっていても、親族なので相談を持ちかけてみることになりました。これからいつまで支払うことになるかわからない負担が、解体や更地化の費用などに限定されるならそのほうがいいということでした。

空家等対策の推進に関する特別措置法の制定

 相談の中では、家屋の傷みがひどくなる前に、早々に解体してしまうのはどうかという話も出ましたが、解体費や更地化に伴う課税額負担の増加を相談者は懸念されていました。しかし、平成27年2月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、簡単に言えば、人が住まなくなった家屋と敷地について、「特定空家等」と指定されると、所有者は行政から「指導」「勧告」「命令」「代執行」といった措置がなされることになります。

 この指導や勧告は、その空き家を「適正に管理しなさい」というものです。また、「特定空家等」に指定されると、固定資産税の優遇措置から外され、更地と同じ税金を支払わなければなりません。

 この特措法によって、家屋がある以上はその管理費用も発生することになるので、前述の周辺の方に無償譲渡の相談という方向性もあるので、解体については検討するということになりました。

 今回の相談のケースは、実家ということであまり深く考えず相続した土地と家屋が、後に自分の負担となっているケースでした。ただ、これは珍しくないケースだと思い、話題として取り上げました。

 空家対策特措法の施行によって空き家に対する関心は高まっているようですが、個人の負担という側面で見ると、家屋だけではなく、土地そのものも負担になってしまうことを忘れてはいけません。仮に、特措法によって行政が家屋の解体を代執行し、更地になった後も土地に対する固定資産税などの個人負担は残ります。空き家のみならず、人口減少や過疎化に伴う地方の土地問題は、今後もっと深刻になっていくのではないかと懸念しています。
(文=秋津智幸/不動産コンサルタント)

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