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潰れかけだったマック、直営店大量閉店でも粗利益率爆増…周到な商品戦略が完全成功

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

2017年は定番メニュー強化の年?

 こうしてみると、マクドナルドは17年を、「定番メニュー」を強化する年と位置付けていることがわかる。これは、16年とは大きく異なるといっていい。

 16年は、名前を公募して決めた新メニュー「北のいいとこ牛(ぎゅ)っとバーガー」や、ご当地メニューを期間限定で販売するなど、定番メニューよりも「新メニュー」に力を入れてきた。新メニューを投入することで話題を集め、遠のいていた客足を戻すことに重点を置いていたと考えられる。

 また、16年9月に「バリューランチ」を拡充し、「価格の安さ」が特徴のメニューを前面に打ち出した。価格の安さを呼び水に、とにかく来店してもらうことを優先させたと考えられる。

 価格の安さを訴求する戦略は、鶏肉問題翌年の15年において、もっとも顕著だった。100円のドリンクやパイ、低単価のデザートなどの新商品を期間限定で投入したり、無料クーポンが当たるキャンペーンを実施したりした。また、対象ドリンクの全サイズを100円に値下げしたり、価格の安さが特徴のメニューを投入したりした。低価格を武器に集客を狙ったといえるだろう。16年もこの流れを引き継いでいた感があったといえる。

 こうして17年と16年を比べてみると、商品戦略が大きく異なっていることがわかる。16年は期間限定の新メニューと価格が安いメニューを前面に打ち出すことで話題を集め、お手頃感を訴求して集客を図ったと考えられる。

 これが奏功し、業績の回復につながった。16年12月期の売上高は前年比19.6%増の2266億円、営業利益は69億円(前年同期は234億円の赤字)、純利益は53億円(同349億円の赤字)と大幅な増収増益となった。

過去最高益を達成の見込み

 ただ、期間限定の新メニューと価格が安いメニューを前面に打ち出すことはマイナス面も伴う。それは利益率が低下してしまうことだ。定番メニューと比べて、そういったメニューはどうしても利益率が低くなってしまう。

 定番メニューの場合、食材を大量に仕入れることになるため、仕入れ価格を抑えることができる。そのため、利益率を高く設定して販売することができるのだ。

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