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「吉崎誠二のデータで読み解く 住宅・不動産市況の裏側」

賃貸住宅市場、突然にマイナス突入で急失速…アパート建築過剰が深刻化か

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 図3にあるように、貸家の着工数は13年に大きく数を増やしますが、これは14年4月から導入された消費税8%への増税前の駆け込み需要があったためです。12年対比でプラス11.8%となっています。この消費増税は、その後10%になること含みでしたので、駆け込み契約がかなり多かったようです。

 14年の住宅着工戸数は、その反動で大きく落ち込みますが、貸家カテゴリーでは落ち込みはなく、プラス1.7%となって、ハウスメーカーの数字を支えた格好になりました。

 また、翌15年からは相続税改正となって、相続税を払う基準が下がりましたので、その節税策として、所有する土地に賃貸住宅を建てる事例が増えました。こうしたこともあり、14年、15年はプラスになります。しかし、15年秋頃から賃貸住宅建築にブレーキがかかり始めます。そこに輪をかけて横浜にあるマンションでの杭の問題が発覚し、不動産市況が冷え込む気配が広がり始めました。

 そんな状況が影響したのか、16年1月末、日本銀行マイナス金利政策を打ち出します(実際は2月半ばから施行)。それと同じくして日銀は国債を大量購入し、長期国債(10年物)の金利が2月にマイナスになります。これらは、不動産融資等貸出金利の低下をもたらしました。

 この政策についての賛否はいろいろとありますが、ここではそれには言及しません。しかし、その後の数字を見る限り、不動産市況が再び盛り上がり、また賃貸住宅の建築増につながったという効果があったことは事実です。こうしたことから、16年は前年対比プラス10.5%となり、12年から5年連続してプラスという結果に終わりました。
  
 17年の滑り出しは比較的順調だったのですが、冒頭に述べたように、ここにきて前年同月比マイナスが続いています。

 関係者に聞くと、大都市圏においては賃貸住宅を建てる土地がだんだん少なくなってきたこと、再開発案件や立ち退き案件が増え、建設するまでに時間がかかっていることが理由として挙がります。一方、関係者の話で深刻なのは、地方都市の様相です。かなりの受注減の状態にあるようです。

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