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在日韓国人、ミサイル発射で在日朝鮮人への糾弾行動先鋭化…「同等に見られては困る」

文=長井雄一朗/ライター

 また、中央本部の朴相泓事務副総長兼総務局局長は「今回のミサイル発射については、在日コリアンも日本の方々と運命共同体であり、大きな被害を受けます。日米韓、さらにはヨーロッパと連携して北朝鮮の制裁を進めることが必要です」と言う。

 さらに、若い在日コリアン3世の方からは「北朝鮮が核開発を行って世界を脅かしているのはよくないです。朝鮮総連に関しては、韓国民団と意思疎通ができないことは残念です。また、ヘイトスピーチは限度があり、人として問題があります。最低限、人としてのルールは守ってほしいですね」という意見が聞かれた。

 以下のように語ったのは、栃木県地方本部の崔龍治団長だ。

「『核をなくさなければならない』という思いで参加しました。北朝鮮が核保有国になれば『韓国、そして日本も核を持つべきだ』という意見が強くなる。それは避けなくてはいけません。また、日本人から見れば在日韓国人も在日朝鮮人も区別がつかない。しかし、同等に見られては困る。今こそ、在日韓国人として声を挙げることが大切だと思います」

「朝鮮総連は核を称賛している」

 この抗議活動を、韓国本国はどう見たか。韓国のテレビ局であるSBSのソン・フェヨン東京支局長は「私見」と断りつつも、「民団の立場からすれば、このような活動をするのは当然のことだと思います。日本国内の世論とうまく調和して、いい解決ができることを期待しています」と語った。

 デモを終えた後、呉団長は朝鮮総連に対して「このままでいいのですか。あなた方は核を称賛している。それでいいのですか」と訴え、金正恩朝鮮労働党委員長に対しては「祖国のきれいな山河を壊していいのですか」とメッセージを発した。

 また、中央本部の林三鎬副団長は「私たちの思いは、日本人の方々にも伝わったと思います。なかなか反応はよかったと思います」と語った。

 在日コリアンは、さまざまな事情があって日本に居住している。先祖が徴用を余儀なくされてそのまま居住したケースや仕事や結婚で来日するケースもあり、特別永住資格の有無もさまざまだが、いずれも朝鮮半島にルーツを持つ。

 そして、多くの在日コリアンは日本人との共生を願っている。そんななかで、北朝鮮の核開発やミサイル発射について、日本人と同様に脅威や不安を感じるというのは当然のことだ。

 仮に日本人の間に「北朝鮮の核・ミサイル開発に賛同している在日コリアンが多い」という考えがあるとすれば、それは誤解だ。同じ日本社会に居住している以上、在日コリアンも同じく不安を抱えているのが実情だ。

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