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潰れる大学・生き残る大学…潰したくても潰せない私大に税金投入で公立化も

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龍谷大学の大宮キャンパス正門と本館(「Wikipedia」より/Kakidai)
 今後、都市でも地方でも数々の大学が淘汰される運命にある。「大学大倒産時代」の幕開けだ。


 すでに国は動き出している。財務省は文部科学省と連携して、定員割れが続く私立大学について、国からの補助金の減額および停止の検討を開始した。現在、私大の約4割が定員割れの状態だ。私大向け補助金の配分見直しで経営改善や教育の質向上を促す一方で、学術論文の公表など研究に力を入れている私大には配分を手厚くする方針だ。

「大学大倒産時代」が間近に迫るなか、文科省も経営悪化が著しい私大に対して、事業撤退を含めた早期の是正勧告をできるよう制度改正の検討を行う方針だ。

 生き残る大学と淘汰される大学に二分されている背景には、どんな問題があるのか。『大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学』(朝日新書)を上梓した教育ジャーナリストの木村誠氏に話を聞いた。

全国の大学を襲う「2018年問題」


 大学における「2018年問題」をご存じだろうか。2009年以降、18歳人口は120万人前後で推移している。しかし、18年をメドに減少期に入ることで、大学の倒産が増えたり学生争奪戦が過熱したりすることが予想されているのだ。

 しかも、この20~30年間に都市でも地方でも次々と大学がつくられた。大学・短大進学率は今や57%に達しており、専門学校などを加えた高等教育機関への進学率は80%を超えている。

「公立私立を問わず、大学の経営は厳しくなっています。また、入学者が増えていることから、質にも変化が起きています。大学の“大衆化”の進展です。昔はエリートの集う場所でしたが、今は大衆化が進んでいます。専修学校が大学化する動きもありますが、全体の進学率はこれ以上大きく伸びることはないでしょう。いつの時代も、進学をしない学生が一定数いるからです」(木村氏)

『大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学』(朝日新書/木村誠)
 特に厳しいのは、地方の私大だ。たとえば、学校法人駒澤大学が傘下の苫小牧駒澤大学を学校法人京都育英館に無償で移管譲渡する計画が進められている。同大は、北海道苫小牧市と隣接する4町との「公私協力方式」によって設立された経緯がある。

 公私協力方式とは、自治体が私大に設置経費や敷地を提供して誘致する仕組みだ。かねて地方自治体には「衰退する地方を活性化したい」という思惑があるため、同方式で新設された大学は100を超える。

 しかし、愛知県新城市が誘致した愛知新城大谷大学や三重県と同県松阪市の援助で開校した三重中京大学など、廃校になるケースも増えている。地方自治体と大学の双方の思惑で全国に誕生した公私協力方式大学だが、決して万能とはいえないようだ。むしろ、今やその多くが定員割れになっている。

「公私協力方式大学の苦境は、地方経済の衰退と大きく関係しています」(同)

 公私協力方式で山口県山陽小野田市に誕生した山陽小野田市立山口東京理科大学も、定員割れで経営が厳しく、一時は撤退する動きもあった。しかし、人口6万人強の同市にとって、同大学が撤退することになれば、さらなる衰退はまぬがれない。そのため、同大を公立化するという判断が下された。ほかにも、公設民営の鳥取環境大学、高知工科大学、名桜大学、福知山公立大学などが公立化されている。

『大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学』

2018年、受験人口の減少と地方の衰退により、大学は激変期に突入!

東大・京大など旧帝大系で格差が拡大し、早慶・MARCH・関関同立など都会の有力校でも地方の国公・私立大でも生き残り競争がさらに熾烈に!

新視点の指標で、大学の運命を実名で明らかにする。

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