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希望の党「ユリノミクス」は、極めて実効性が乏しく非現実的

文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授
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 筆者が重要と考える雇用については、金融政策がカギである。これは世界の常識だが、これまでの政策ではまったく理解されていなかった。安倍政権がはじめてアベノミクスで金融政策を柱にした。この点で保守野党は不十分である。今の金融政策の枠組みを変えるつもりがないのはよいが、心許ない。リベラル野党では金融政策の無理解があるので、世界のリベラル政党のレベルの理解度はまったくない。

 小池百合子東京都知事が率いる希望の政策は、大枠は維新と同じである。ただし、希望は実績がない。細かな政策では「12のゼロ」やベーシックインカム、内部留保課税を掲げている。「12のゼロ」は、昨年7月の都知事選で小池氏が掲げた「7つのゼロ」と被っている。東京都で実績がないのに、それを国レベルで公約しても実現できないだろうとの批判を受けるのは、誰の目にも明らかだ。

 ベーシックインカムや内部留保課税は、選挙で公約として掲げるのは無謀である。ベーシックインカムは外国の本格的な実施例もなく、日本の地方自治体レベルの小国での実施例しかない。まず東京で実験してから政策提言したらどうか、といわれても仕方ない。

 内部留保課税は、実行するなら法人税増税になる。これでは、消費増税への賛成とバーターで法人税減税を獲得した経済界は、政治的に黙っていない。内部留保課税の賃金増などの効果は経済的に怪しい上に、政治的にも疑問符がつき、他党でこの政策をあげるのは共産ぐらいしかない。

 いずれにしても、希望の政策を細かくみると熟度は低い。その点、維新は大阪での実施例を国の政策に昇華させているので、実績が伴っていると感じられる。
(文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授)

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