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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

今週、北朝鮮と米国の戦争開戦リスク高まる…英国も参戦準備、NATO参戦も

文=相馬勝/ジャーナリスト

 英国のファロン国防相は英BBCに、「米政府はその領土と国民を保護する権利がある。とはいえ、ロサンゼルスに比べれば、北朝鮮やそのミサイル基地により近いのはロンドンだ」とも述べて、北朝鮮の核兵器開発は「イギリスにとっても無関係ではない」と付け加えている。

 また、これとは別に、英国陸軍の特殊空挺部隊「SAS(Special Air Service)」が米韓両軍の特殊部隊と共に金正恩委員長の暗殺を計画したが、成功率が40%に満たないとの理由で中止されたとの報道もある。
 
 このような北朝鮮の核兵器に対する危機感はイギリスばかりでなく、欧州全体に広がっている。ロイター通信によると、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は先月10日、BBCの単独インタビューで、「北朝鮮の無謀な行為は世界全体への脅威だ。世界的な対応が必要であり、それには当然NATOも含まれる」と述べて、北朝鮮有事が発生すればNATOの参加もありうるとの立場を明らかにした。
 
 事務総長はグアム島が攻撃された場合、集団的自衛権を定めたNATO条約第5条が適用されるかとの質問については、「政治的な解決に向けて引き続き取り組むとともに、経済制裁も継続して行く必要がある」とだけ述べて、直接的な回答を控えたが、英国同様、朝鮮半島有事が勃発すれば参戦する可能性は高いとみられる。
 
 ちなみに1950年6月に勃発した朝鮮戦争には米韓英の国際連合軍の戦闘支援国として、欧州からフランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、ギリシャが参戦している。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)

相馬勝/ジャーナリスト

相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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