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ノーベル平和賞受賞のICAN国際運営委員・川崎哲氏、核兵器廃絶へ後ろ向きな日本政府を痛烈批判

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ICAN国際運営委員・川崎哲氏

 今月6日に、ノルウェー・ノーベル委員会は国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」にノーベル平和賞を授与することを発表。

 北朝鮮が核実験を強行するなど、核兵器による危険性が高まる世界情勢の中、世界各国に働きかけ、核兵器禁止条約の採択に貢献したことが評価につながり同賞の受賞となった。

 ICANは世界460以上の団体が参加する国際的なNGO連合体で、日本からは世界をめぐる船舶旅行を企画する「ピースボート」が同団体に加わっている。そのピースボートの共同代表でICAN国際運営委員として活動する川崎哲が、10月13日に都内で記者会見(公益社団法人自由報道協会主催)を行った。

 今回のノーベル平和賞受賞について川崎氏は、「核兵器廃絶に向けて取り組んできたすべての方々、諸団体の活動が評価されたと理解している」と会見冒頭でその感想を語った。だが、日本政府がこの核兵器禁止条約に署名をすることを未だに拒んでいるため、今回は喜びの会見というよりも、今後も日本や各国に核廃絶に向けて強く働きかけていく意思を改めて示す内容となった。

 川崎氏は、「政府は、日本が核兵器禁止条約に署名せず、同条約に反対している理由を、日本は核保有国と非核保有国の橋渡し的立場に立っているため、片側につくようなことをしないと説明している。しかしながら実際は、今後、日本政府は他国が核を使うことに援助、奨励することもあり得ると考えているからこそ、条約に署名できないのが本音のところだと思う」という見解を示し、核廃絶に後ろ向きな対応をする日本政府を非難。

 米国と北朝鮮が戦争状態になれば日本は米国に頼らざるを得ない部分もあるが、唯一の核被爆国であり非核三原則の政策を持つ国がこのような態度なのは、核廃絶活動家としては納得できないのだろう。さらに川崎氏は、先日国連総会で日本が出した核軍縮をテーマとした決議案で核兵器禁止条約について一切触れていない点や、現在繰り広げられている選挙戦でも北朝鮮問題や憲法改正に言及するばかりで、同条約について議論がなされていないことについても問題と指摘した。

 会見に出席した記者から核兵器の抑止力についての認識を聞かれると、「9.11のテロが起こったとき、アメリカは1万発もの核兵器を保有していたが、自爆覚悟の数人によってアメリカは巨大な被害を受けた。核兵器が抑止力にならないことは歴史が証明している」と話し、核で抑止力を持つのではなく、核をなくして核戦争を抑制する安全保障を目指すべきとの考えを示した。

 川崎氏が共同代表を務めるピースボートは、今後も被爆者やその関係者の証言を世界に広め、核兵器禁止条約に署名、批准しないアメリカ、ロシア、フランスなどの核保有国やそういった国々の傘の下にいる日本や韓国、オーストラリア、NATOに加盟している国など、これらひとつでも多くの国に条約の署名、批准させるために活動していくことを表明した。
(文=編集部)

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