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湯之上隆「電機・半導体業界こぼれ話」

東芝メモリ買収に「失敗」した鴻海、実は圧倒的に有利な立場だった

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「東芝メモリ」売却先は日米韓連合 鴻海会長が怒りあらわ(AFP/アフロ)

やっと東芝メモリの売却先が決定した


 東芝は9月28日、米ファンドのベインキャピタルを中心とする「日米韓連合」と、東芝メモリを売却することで正式に契約した。しかし今後も問題は山積している。買収に失敗した米ウエスタンデジタル(WD)とは今後、国際仲裁裁判所で本格的な裁判を行うことになる。恨み骨髄のWDとは、さぞかし激しい裁判になるだろう。

 さらにWDは早速、東芝メモリが四日市工場の新棟となる第6棟に単独で投資することを差し止める裁判を、新たに国際仲裁裁判所に提起している。それ以外にも、さまざまな嫌がらせをしてくると思われる。

 また、売却契約を締結した日米韓連合には、ベインを中心として、米アップル、米デル、米シーゲイト・テクノロジー、米キングストン・テクノロジー、韓国SK Hynix、日本のHOYA、産業革新機構、日本政策投資銀行が加わっている(図1)。これらが、「パンゲア」と名付けられた特別目的会社に出資・融資し、東芝本体も3505億円を拠出して、東芝メモリを約2兆円で買収する。



 SK HynixはNANDを生産している同業他社であるため、いくら融資するだけとはいっても、各国での独占禁止法の審査を受けねばならない。その際、日本政府から外為法を盾に買収協議の蚊帳の外の置かれた中国は、わざと時間をかけて審査をするかもしれない。そもそも、最短でも独禁法の審査は6カ月かかるといわれている。少しでも長引けば、18年3月末までに売却できない。最悪の場合は、中国が「ノー」を突きつけてくる可能性もある。

 なお、「パンゲア」とは、約3億年前の大陸移動が起こる前に、現在の大陸が巨大なひとつの塊であったと想定される大陸の名称とのことである。パンゲアがもし存在したとすると、その後、ユーラシア、北米、南米、アフリカなどに分裂していくわけである。なんと不吉な名前を付けたのだろう。誰が命名したかは知らないが、そのセンスの悪さを疑う。

忘れ去られたホンハイ


 新聞、雑誌、テレビなどでは、「日米韓連合」に買収されることになった東芝メモリの訴訟リスクや独禁法リスクの問題、および、東芝メモリが売却された後、カスのようになった東芝本体がどうやって生き残っていくかといった問題が盛んに議論されている。

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