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六代目山口組幹部が再々逮捕の裏に警察の「みかじめ料」ローラー作戦が…さらに続く大量逮捕劇

文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部
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拳銃を8丁、実弾100発以上を押収

 竹内会長ら弘道会最高幹部たちが愛知県警に逮捕された同日、神戸山口組幹部である三代目古川組・古川恵一総裁が尼崎南署に逮捕されている。

 容疑は、今年6月に尼崎市内の繁華街で客引きをしていた男性に対し、脅迫をしたという暴力行為処罰法違反(集団的脅迫)である。一部報道などでは、被害男性が対立する任侠山口組の関係者で、同団体が拠点としている尼崎で起こったことから、同じく尼崎に拠点を置く神戸山口組三代目古川組が因縁をつけて、彼らの活動を排除する動きを見せたかのように報じられているが、事実は少し異なると地元関係者は話している。

「客引きの男は元々、神戸山口組側と親しい関係にあったが、任侠山口組が結成されたことで任侠山口組寄りとなってしまった。そういった関係で、神戸山口組三代目古川組とも顔見知りだったと聞いている。知り合いだったために強めに発した言葉が、事件化するまでになったのではないか」

 この関係者によると、神戸山口組系組員らが動員をかけ尼崎に入り始めたのは、ここ1〜2カ月のことだと話している。それに対応するかたちで、任侠山口組でも尼崎を強化するために人を動かし始めたのはないかとみられているという。

 それだけではない。警察当局もそういった不穏な空気を察してか、ここ1〜2カ月は週末になると、所轄の尼崎南署が中心となり警戒を強め、巡回にあたっていることは著者も地元の飲食店経営者らからたびたび耳にしていた。そのパトロールの網にひっかかる両陣営の組員が今後も出てくるかもしれない。いずれにしても、古川総裁の逮捕も、神戸山口組の分裂が招いたものといえるのではないだろうか。

 逮捕劇はそれだけではない。古川総裁が逮捕された2日後には、任侠山口組の直参組長が微罪で逮捕されており、さらに翌日には任侠山口組系組員が拳銃を8丁所持していたとして、大阪府警に逮捕されたのだ。

「道具(拳銃)と一緒に実弾も100発以上あったという話だ。表立った抗争は起きていないが、いつ起きても大丈夫なように任侠サイドも備えだけはしているということではないか」(他団体関係者)

 次々に逮捕者を出している3つの山口組。10月は暴力団取り締まり強化月間とはいえ、例年であれば、下旬には沈静化される。だが、今年に限っては、現在のところ警察当局が手綱を緩める気配はまったくないように映る。

 今回の取材を進めていくうちに、著者がまだ現役だった頃、10月の「月間」を乗り越えることができれば、「今年も社会で正月を越すことができそうだ」と一安心していたことを、ふと思い出した。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう) 元山口組二次団体最高幹部。所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)。最新刊は『尼崎の一番星たち』(同)。

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