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山崎将志「AIとノー残業時代の働き方」

長時間働いても目標未達の人の思考法…突然訪れるチャンスをつかむために「必要なムダ」に励むべし

文=山崎将志/ビジネスコンサルタント
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 しかし、この常識的な働き方は、現代の環境では必ずしも一番成果の挙がる方法ではありません。この働き方は工業が経済の中心だった時代に一般化したものです。需要がどんどん増えて、つくればつくっただけ売れていた時代には、工場はできるだけ長い時間動かしたほうが会社としては儲かります。

 その一方で、会社が利益を求めすぎると従業員が疲弊してしまいます。そこで、従業員の所定労働時間を決めて、それ以上働いた場合は残業代として割増賃金を払う、というような仕組みができました。これによって、増え続ける需要になんとかこたえていくことができました。

 しかし、生活に必要なものがほとんどの人に行き渡り、需要がなかなか伸びない現在では、残業はどちらかといえば需要をつくり出すためや、少ない利幅を補うために無理に行われていると、私は見ています。つまり、売れすぎて大変だからたくさん働くのではなく、売れなくて困っているから、利益が少ないからたくさん働いている、ということです。売れすぎて大変な時は、給料も上がるし、組織が大きくなって昇進のチャンスも増えます。ですから、長時間労働も現在ほど問題にはなりませんでした。

 しかし今は生き残るために必死で長時間働いても、なかなか成果が出ない。言ってみれば一億総スランプです。こんなときには、いったいどうすればよいのでしょうか。

 私の答えは、一番多く魚を獲ることができる漁師と同じような時間の使い方をすることです。この漁師は、漁に出ない日は遊んでいるわけではありません。網を直したり、船の掃除や整備をしたり、よりたくさん船に魚を入れる方法を考えたりなど、準備に時間を使っているはずです。あるいは新しい漁の方法を考えたり、最新の機械の勉強をしたりしていることでしょう。

 会社のなかで仕事をしているふりをするために、魚がいないとわかっているのに漁に出かけるのは非効率です。そうしないと上司に叱られるからという反論もあるかもしれませんが、あなたは上司に叱られないために仕事をしているわけではないはずです。

 魚がいないときには、ぐっと歯を食いしばって準備に時間を使うことです。業務時間中にでもいろんな準備ができるはずです。整理整頓や書類の整理などの身近なことから、自分の担当以外の商品やサービスについて勉強したり、他の部署の人に話を聞きに行ったりなど、色々と考えられます。情報交換のために、お客さんや仕入先を訪問するのも準備のひとつです。

山崎将志/ビジネスコンサルタント

山崎将志/ビジネスコンサルタント

ビジネスコンサルタント。1971年愛知県生まれ。1994年東京大学経済学部経営学科卒業。同年アクセンチュア入社。2003年独立。コンサルティング事業と並行して、数社のベンチャー事業開発・運営に携わる。主な著書に『残念な人の思考法』『残念な人の仕事の習慣』『社長のテスト』などがあり、累計発行部数は100万部を超える。

2016年よりNHKラジオ第2『ラジオ仕事学のすすめ』講師を務める。


最新刊は『儲かる仕組みの思考法』(日本実業出版社)

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