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女子大学、地獄の時代突入…名門校が続々消滅、共学へ学生大移動で4割が定員割れ

文=島野清志/評論家

――固定費も重くなっている。

寺本氏 固定費の大半を占める人件費の比率が高いのは事実で、改善が課題だが、一方で大学設置基準に定める必要専任教員数との関係上、削減には限界がある。また職員数に余剰感はなく、1人当たりの人件費が高いともいえない。学生数を増やし、固定費に見合った収入を確保することが重要だ。

――共学化は考えているか。

寺本氏 検討したことはあるが、共学化が必ずしも成果につながらなかった事例もある。女子大が減少していくなかで、むしろ女子大の価値が再認識されていくのではないか。

山上氏 高校を訪問すると、教師の方々から共学化すると大多数のなかに埋没してしまうとの意見もいただく。本学の中退率の低さも、学生と丁寧に向き合っている良い部分が出ているのではないか。

 また東京家政学院、東京聖徳学園(聖徳大学)からは担当者及び担当セクションからFAXで、以下のような回答があった。

――運営状況の改善に向けて、現在実施している、あるいは今後予定していることは。

「平成30年度に現在の1学部5学科から2学部5学科に改組する予定。既存の現代生活学部に加えて人間栄養学部人間栄養学科を新設する計画である」(東京家政学院)

「中長期計画を立てて経営改善に取り組むとともに、一方では更なる教育改革を推進している。また学生獲得のため、本学の教育の特長や就職時における強みなどを受験生、保護者、高校教員の方々に、より深くご理解いただけるよう情報発信に努めている」(東京聖徳学園)

――共学への移行を検討しているか。

「検討していない。女子大学の特長を生かした改革を進める」(東京家政学院)

「現在、検討していない」(東京聖徳学園)

 各校とも苦境を打開しようとする思いは伝わってくるものの、その対応は逆風を克服するには新味に欠ける印象は否めず、手詰まり感が漂っている。これから年末に向けて受験生は志願校を最終決定する時期になる。受験生はもとより、保護者は各大学のポジションや、置かれている環境を今一度しっかりと確認、把握することをお勧めしたい。
(文=島野清志/評論家)

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