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「『いい女』は60歳を過ぎてから」…70歳にして挑戦し続ける有名デザイナーの流儀

文=道明寺美清/ライター
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 相手は32歳年下の28歳の青年。出会ってすぐには恋愛対象として見られなかったというが、紫藤尚世氏の足のしびれをマッサージするために毎日通ってくる青年と、気づけば恋に落ちていたという。出会いから1年ほどで結婚し、3年が過ぎた頃に離婚した。養子をもらって二人の子供として育てたいと望む夫に対し、仕事で多忙を極めた紫藤尚世氏が応えることができなかったのが離婚のきっかけとなった。夫の未来も考えた上での決断はなんとも潔く、“粋”を感じる。紫藤尚世氏と話していると、同じ女性として勇気をもらうことばかりだ。

「最高に魅力的な“いい女”になるのは60歳を過ぎてから。年齢など気にせず、大人世代はもっと自信を持っておしゃれをしてほしい。いつだって今日が今後の人生で一番若い日でしょ。私は、また恋をしたいと思っています」

 筆者は、これまで年を重ねることに不安を感じていたが、紫藤尚世氏に会ってその考えは変わった。中高年世代からは、「もう年だから」という言葉をよく聞く。しかし、そんなセリフを言うこと自体がおこがましいのかもしれない。紫藤尚世氏へのインタビューを進めるにつれ、筆者もまだまだ挑戦しなければならないと思った。

 近年、自殺願望を持つ若者が増えているとの報道もあるが、まったく悲しい現実である。紫藤尚世氏が経験したように、人は命の危機を感じて初めて命の大切さを知るのかもしれない。未来は誰にも予測できないが、「今日が今後の人生で一番若い日」というのは間違いない。命への感謝を忘れず、「若い一日」を常に何かに挑戦していきたいと思う。
(文=道明寺美清/ライター)

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