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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

薬の「効き目」、信用揺るがす調査相次ぐ…論文の結論を捻じ曲げる製薬企業マネー

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 もうひとつ興味深いデータがあります【注2】。変形性股関節症や関節リウマチ骨折などで、股関節を金属やセラミックなどでできた人工関節に置き換えるという治療法があります。人口の高齢化で、この手術を受けた人は過去10年間で2倍にも増えているとされています。

 この手術法の結果を報じた論文68編を調べ、「良くなった」「かえって悪くなった」「どちらとも言えない」の3つに分けてまとめたところ、「良くなった」と結論していた論文は、その機材を製造している企業がスポンサーになっていたほうで2倍以上も多かったということです。

 同じテーマで、もうひとつ驚きのデータを発表した研究者がいます【注3】。ほぼ同じ条件で行われた分析ですが、スポンサーつきの論文は、そうでない論文に比べて、「良くなった」と結論した割合が11倍も高かったというのです。分析方法やその妥当性についても分析したところ、表向き両者に違いは見つかりませんでした。

 医薬品や医療機器を製造販売している企業がスポンサーとなった調査・研究がどれくらいあるのか、正確な統計はありませんが、7割とも9割以上ともいわれています。われわれが病院で受ける最新治療が真に正しいものなのか、その根幹がいま揺らいでいます。
(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)

参考文献
注1) Rochon PA, A study of manufacturer-supported trials of nonsteroidal anti-inflammatory drugs in the treatment of arthritis. Arch Intern Med 154: 157-163, 1994.
注2) Ezzet KA, The prevalence of corporate funding in adult lower extremity research and its correlation with reported results. J Arthroplasty 18: 138-145, 2003.
注3) Khan SN, et al., The roles of funding source, clinical trial outcome, and quality of reporting in orthopedic surgery literature. Am J Orthop 37: E205-212, 2008.

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