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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

代わりがいない物流業者が上位に立ち始めた…アマゾンら通販業者との力関係が逆転

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代わりがいない物流現場の強み


 さらに、配送側が強気に出られる理由はもうひとつある。

「物流業という業種独自の特徴に由来する原因もあります。都心エリア限定の自転車等での配達以外、日本の自動車運転免許を保持している人しか配送員の仕事には就けません。ですから、配送現場では飲食業などのサービス業のように一般的な外国人労働者に依存できないという側面があります。加えて、効率的な物流は日本の道路事情を熟知していないとシステムが組めません。長年の経験から蓄積されたノウハウが必要なのです。そのため、他業界や海外の大手企業が安易に参入しづらいのです」(同)

 IT化がめざましい昨今でも、物流を担う人々の社会的価値が変わっていないのである。

「データのやり取りと違って、配達業務は人間が直接モノを運ばないと成立しない仕事です。モノを運ぶ仕事から発生するコストは、情報通信技術のように簡単には下げることができません。自動運転ドローン宅配といった無人配送化が実現するまでは、あらゆる業界の荷主は物流業者に頼らなくては配達業務が完結しないのです。こうした状況が多くの業界で再認識されているのではないでしょうか」(同)

 当たり前になっていた送料無料というシステムはもちろん魅力的だが、物流業者のみに企業努力を押し付ける時代は終わりつつある。今後は、購買する消費者に送料の選択肢を示すことで、双方が納得できるEC取引を成立させる世の中に向かいつつあるようだ。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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