ビジネスジャーナル > マネーニュース > 40代で低所得者世帯が増加  > 3ページ目
NEW
黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

40代で低所得者世帯が増加…可処分所得が60代と同水準に

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー

13年ぶりに自己破産者が増加。安易なカードローンは禁物!

 それを示すように、2016年の個人の自己破産申請が13年ぶりに増加。その背景には、銀行のカードローンの利用が急増したことにある。消費者金融に比べて、銀行ブランドという絶対の安心感と信用力によって借りる側の心理的ハードルを下げさせる効果は絶大だ。

 手軽に借りられることもあってカードローンの貸付残高はここ5年で60%増の5兆4,377億円にのぼるという。離婚してパート収入だけでは生活していけないため、毎月の生活費の補てんにと10万円ほどカードローンで借りられたのを皮切りに、次々と借金を重ね、多重債務に陥ったというシングルマザーもいる。

 残酷なようだが、家計を改善させる方法は、収入を増やすか、支出を減らすかしかない。リスクを取って運用して殖やすことも含め、長期に安定して働き続けること。家計に占める割合の大きい住居費や教育費、保険料などの固定費を見直して支出をできるだけ切り詰めることなど、いくつもの“合わせ技”を駆使してヤリクリしよう。

 とにかく、「なんとかなるだろう」と経済的な見通しを楽観的に考えている人は要注意! ライフプランやマネープランを立てるときは、現実よりも多少、厳しいくらいのシナリオを想定して、シビアに計画を立てる。立てたらそれを常時見直すことだ。

 いずれにせよ、その現実に気づくのが早ければ早いほど対策を講じる時間的余裕が生まれてくることは知っておきたい。
(文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー)

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
https://www.naoko-kuroda.com/

40代で低所得者世帯が増加…可処分所得が60代と同水準にのページです。ビジネスジャーナルは、マネー、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!