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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

中年のあなたの「ある習慣」が、老後の健康と寿命を大きく左右する

文=新見正則/医学博士、医師
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中年のあなたの「ある習慣」が、老後の健康と寿命を大きく左右するの画像1「Thinkstock」より

 今日は心臓の脈拍数のお話です。まず、“非常識君”が言います。

「メディアで心臓が一生涯に収縮できる数はだいたい決まっていると言っていたので、心拍数が上昇することは極力しないことに決めた。運動なんかとんでもない」

“常識君”のコメントです。

「人間の体重は50kgから80kgぐらいで、脈拍数も1分間に50から80回ぐらいです。平均寿命は明治の頃は40歳、終戦直後で50歳、現在は男性が80歳、女性が88歳ぐらいです。一方で、ゾウは体重が5トンぐらいで、脈拍数は1分間に30回前後、そして寿命は80歳から100歳、ハツカネズミは体重が25グラムで、なんと心拍数は約600回、そして寿命は長くて3年です。ざっくりいうと、心拍数が早い動物の寿命は短くて、心拍数が遅い動物の寿命は長いのです。1分間当たり70回心臓が拍動しているとすると、1日ではなんと約10万回となります。そして1年では約4000万回、そして80年動くとなんと30億回心臓は拍動するのです。直感的に、心臓はポンプという精密機械ですから正常に拍動できる上限がありそうな気もします」

 そして、常識君のコメントが続きます。

「そして人間の心拍数で寿命を比較した研究もあって、研究は心拍数が少ない人のほうが長生きという結論のものも少なからずあります」

 非常識君の意見です。

「だから僕は心拍数が上がることはやめようと思ったのです。運動すれば心拍数は上がります。ですから、積極的に運動などしません。また階段も上がりません。走ることもしません。運動は『健康の敵』と思うようになったのです」

血圧と脈拍を測定する

“極論君”がコメントします。

「僕は有酸素運動は健康に良いと聞いているので、積極的にジムに行って、体を鍛えています。ランニングや、水泳、そして自転車漕ぎ、どれも心拍数が上昇します。調子が良いときは運動すると心拍はすぐに早くなり、そしてすぐに戻ります。疲れて調子が悪いときは、なかなか安静時の心拍数に戻りません。そして、運動を始めたときは、ちょっとした運動負荷でも、運動を終了してもしばらく心拍数が多い状態が続くのです。

 つまり正しく運動をしていれば、心拍数は運動終了後に比較的早く安静状態に回復しますが、日頃から運動をしていないと、ちょっとした運動負荷で心拍数が高い状態が続くのです。運動に慣れていない人が運動を始めると、最初は少々辛いですが、適切な運動であれば、そんな運動負荷に体が慣れて、上がった心拍数がすぐに下がる体になるのです。ですから適度な運動で鍛えたほうが、一生涯の心拍数は減ると思っています」

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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