NEW

リコーの危機、1万人削減でも赤字転落…コピー機もデジカメも売れない

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ドル箱の複写機・複合機が売れなくなった

 リコーは複合機のデジタル化やカラー化の波に乗り、1990年代から2008年のリーマンショックまで「野武士のリコー」と呼ばれた営業力で、事務機を拡販。07年に米IBMのデジタル印刷部門を830億円で、08年に米事務機大手アイコンオフィスソリュージョンズを1600億円で買収するなど、世界中に販売網を広げ成長を続けてきた。これがリコーの黄金期だ。

 しかし、リーマンショック後、企業が事務機器のコストを見直すと、状況は一変した。売り上げが落ち込み、営業網の拡大で増えた人件費が重くのしかかってきた。そこで11年に国内外で1万人を削減するなど、一転してリコーは冬の時代を迎えた。

 リコーの最大の問題は、主力の事務機が低迷していることにある。複写機・複合機は、日本勢が世界シェアの大半を握る分野だ。リコー、キヤノン、米ゼロックス=富士ゼロックス、コニカミノルタ、京セラで8割弱のシェアを誇る。リコーは世界で18.9%、国内で26.6%のシェアを有するトップメーカーだ(米DC調べ)。

 しかし、先進国におけるオフイス需要が飽和状態になった上にペーパレス化が進み、事務機市場は縮小の一途を辿っている。

 18年3月期通期の見通しでは、複写機・複合機などのオフィスプリンティング部門の売上高は1兆1168億円。全社売上高(2兆400億円)の55%を占めるが、それでも前期比では4%減で、主力の海外は5%減。なかでも米州では11%減と2ケタの減収の見込みだ。複写機・複合機の一本足打法の足元が揺らいでいるのである。

“脱事務機”に向けて、海外でITサービスなど複数の企業を買収したほか、国内でも11年にデジタルカメラのペンタックスを買収した。だが、スマートフォンのカメラ機能を使ってソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に写真を投稿するケースが増え、デジカメは売れなくなった。その結果ペンタックス事業は17年4月、100億円の減損に追い込まれた。

 インド子会社の365億円の損失が業績悪化に追い打ちをかけるかたちだ。そこで本業と相乗効果が見込みにくい事業を売却することにした。18年3月1日をメドに、アナログ半導体を手がけるリコー電子デバイスの発行済み株式の8割を日清紡ホールディングスに売却する。売却額は非開示。

 リコー電子デバイスはスマホ向けバッテリー保護ICに強く、17年3月期の売上高は230億円、5億円の純利益を上げている。

 リコーは非中核事業を切り離し、産業印刷やヘルスケアといった成長分野に経営資源を振り向けてきたが、まだ新しい成長の種を見つけられずにいる。市村清氏を祖とする名門・リコーに光明は見えてこない。
(文=編集部)

リコーの危機、1万人削減でも赤字転落…コピー機もデジカメも売れないのページです。ビジネスジャーナルは、企業・業界、リコーリコーインド複合機の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!