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旧村上ファンド、黒田電気のTOBで380億円稼ぐ…村上世彰氏の取締役就任を要求

文=編集部
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 黒田電気は総会前の取締役会で、今回もレノ側の株主提案に反対を表明していた。総会の焦点は株主提案が可決されるかどうかだったが、個人などの株主は株主提案に賛成した。

 今年6月29日の株主総会の6人の取締役選任では、細川浩一社長の賛成率は54.54%で、かろうじて過半数を上回り再任された。他の取締役の賛成率も1人を除いて54~56%と低く、経営陣に厳しい結果になった。

 旧村上ファンド関係者に完敗した経営陣はMBKのTOBを受け入れ、傘下に入ることを選択した。MBKは数年後、黒田電気を再上場させて投資資金を回収するシナリオを描く。

次の標的はエクセル、三信電気

 旧村上ファンドの新女王となった野村氏は次にどこを狙うのか。

 野村氏は2枚のカードを持っている。1枚は、独立系エレクトロニクス商社のエクセル。筆頭株主は、2年前まで村上氏が代表を務め、現在は野村氏が代表となっているC&Iホールディングス(持株比率9.49%)。中島氏(同7.20%)も大株主(17年3月末時点)だ。C&Iはその後買い増しして、グループ全体での11月1日時点の持ち株比率は23.28%に高まった。

 もう1枚のカードは、半導体商社の三信電気だ。筆頭株主であるC&I(同9.61%)をはじめ、野村氏(同9.60%)、オフィスサポート(4.47%)、中島氏(3.39%)と、旧村上ファンドグループの揃い踏みとなっている(17年3月末時点)。

 三信電気のルーツはNEC系で、今ではルネサスエレクトロニクスの半導体を主に扱っている。旧村上ファンド関係者の三信電気株の持ち株比率は10月20日時点で32.98%だったが、その後C&Iが買い増し、11月8日時点で共同保有を含めた保有比率は34.07%に上昇した。

 村上氏が指南役となり野村氏はエクセルと三信電気の合併を仕掛けて、高値で売り抜けることを狙っているのではないかとの観測が兜町で飛び交っている。
(文=編集部)

追記

TOB成立

 黒田電気は12月16日、MBKパートナーズの関連会社、KMホールディングスによる株式公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。

 発行済み株式数の68%に当たる2570万株の応募があり、買付け予定数の下限(1891万株)を上回った。臨時株主総会の決議を経て黒田電気は上場廃止となる。

 TOBは11月2日から12月15日まで、1株当たり2720円で実施された。黒田電気はMBKパートナーズの海外ネットワークを活用して業容の拡大を図る。MBKは村上世彰氏らと交渉を進め、TOB価格を引き上げるなどして賛同を得た。

BusinessJournal編集部

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