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『シン・ゴジラ』の影響で新『ゴジラ』ブームが到来中? 古くて新しいゴジラの魅力

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ゴジラはいつも怒っている

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『ゴジラ』60周年記念版Blu-rayジャケット

――ちなみに出口さんをはじめとするファンが考える「ゴジラの作法」とはどんなものですか?

出口 基本、ゴジラは怒っているんですよ。他の怪獣と一番違うところはそこです。いわゆるファースト、1954年に公開された最初の『ゴジラ』は、海底洞窟で生息していた怪物が水爆実験の影響で怪獣となってしまった。もちろん第五福竜丸のビキニ湾での被爆事件や、第2次大戦で被爆しているという事実が下敷きになっているわけです。

――54年ですから、終戦からわずか9年。記憶も生々しく残っていたことでしょうね。

出口 我々なんかからすると70年以上も前になりますから、対岸の火事のように感じてしまうともありますけど、当時はハンパなかったでしょうね。加えて、その海底にいるとされる生物は、その島(架空の小島・大戸島)では「伝説の怪物」として畏怖・信仰されていたり存在であったという設定もあって、何かと神秘性を感じられるようになっているんです。

―ー巨大怪獣をやっつけた! めでたしめでたし、ともなりませんしね。

出口 ならないですね、たしかに。ただ、2作目の『ゴジラの逆襲』(55年)は、アンギラスという怪獣が登場して、2作目にして早くも怪獣同士が対決しているんです。舞台となった大阪中が破壊されるんですが、雰囲気が明るいんですよ、ラストでは元気に復興に取り掛かるし。これはこれで復興に前向きに取り組んできた戦後の日本を描いた、ということなんだろうなと。世相の映し鏡みたいな一面があるんですよね、シリーズ初期から。

 その後シリーズが進むにつれて、派手な怪獣映画としての側面が目立つようになってきてゴジラがシェー!! をしたりするようになったりもしましたが(笑)、その揺り戻しで原典回帰=怖いゴジラになったのが、84年に公開された『ゴジラ』、通称『84年ゴジラ』です。そこからしばらくゴジラが怖い、畏怖の対象になっていくんです。84年ですから冷戦真っ只中。アメリカとソ連が核を撃つか撃たないかという、「すわっ、第3次大戦か!」という緊張感がある展開でして。

 ただ、単純に反戦映画ではないんです。いろんなメッセージが込められているし、あらゆる解釈が成り立つというか……たとえば深いファンの間では、ファーストゴジラ=戦没者の魂という説もあるんですよ。というのも東京中の有名な建物をゴジラは壊していますけど、皇居は登場していない。そこから英霊たちの魂がゴジラに乗り移ったというような。

 そういった憶測が立つぐらいに、ゴジラは神様のような畏怖する存在であるという前提があります。ファーストゴジラからして、大戸島で大昔から語り継がれている存在で、時化が続いて漁に出られないときは島の若い娘をいけにえとして捧げる、という設定。ただ怖い怪獣がいるのではなく、畏怖すべき神様として描かれているんです。『GODZILLA 怪獣惑星』もそういうところは受け継がれています。


2020年、ゴジラとキングコングが激突する!

――さて、『ゴジラ』は今後、どう展開していくのでしょうか?

出口 すでに発表されたものだ『MonsterVerse(モンスターバース)』シリーズ、通称『ギャレゴジ』のシリーズ第3作『Godzilla: King of the Monsters』が19年に、第4作『Godzilla vs. Kong』、シリーズ第4作が20年に公開予定です。キングギドラやキングコングも登場する――と思われる大作がありますね。これからどんな情報が出るか楽しみですよね。

――『シン・ゴジラ』の勢いに『怪獣惑星』は乗っかってほしいし、『ギャレゴジ』をはじめとする後発のゴジラを後押しするような勢いを生み出してくれるといいですよね。

出口 本当に『シン・ゴジラ』は大きかったですよね。『シン・ゴジラ』が公開されたばかりのころ、「これがコケたらもう俺達が好きな怪獣映画が作られなくなるんじゃないか?」と思いましたから。それぐらいのクオリティが高かったですから。

 結果大ヒットになって、ゴジラの注目度が改めて上がって、近年にはなかったほどいろいろなグッズも出たし、もしかしたら水面下で「うちも怪獣映画を久々に作ってみるか」という動きにもつながったかもしれない。それぐらい影響は大きかったと思います。

――何十年か後には、「ゴジラシリーズ中興の祖・庵野秀明」と評価されているかもしれませんね。

出口 あはは(笑)。でもその通りかもしれません、『シン・ゴジラ』以前の国内の最後の作品は『ゴジラ FINAL WARS』(04年)で、「FINAL」と銘打たれていたほどですから。『シン・ゴジラ』がヒットしなかった結構ピンチだったかもしれませんね、海外では制作・公開されても、日本産の『ゴジラ』が作れない、という状況だってあり得たと思いますよ。

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