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モスバーガー、4年連続客数減の危機的状況…高級感崩れ中途半端、マックの復活が追い打ち

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中価格帯の中途半端なハンバーガー店に

 個店での客離れも深刻だ。モスバーガーの既存店客数は14年3月期から17年3月期まで4年連続で前年割れを起こしている。客数の減少が止まらない状況だ。

 ところで、モスバーガーの客数が減少している最中の14年7月に、マクドナルドが期限切れの鶏肉を使用していたことが発覚し、それによりマクドナルドでは客離れが起きた。モスバーガーとしてはマクドナルドから離れた客を取り込みたいところだったが、モスバーガーでも客数が減っていったことに鑑みると、それができなかったといえるだろう。両者のターゲット層はやや異なるとはいえ、同じハンバーガーチェーンとしては残念な結果だ。

 マクドナルドの失速やモスバーガーのもたつきを突くかたちで海外発の高級ハンバーガーチェーンが日本市場に参入してきたこともモスバーガーが低迷する要因となった。たとえば、15年7月に米ニューヨーク発の「ベアバーガー」の1号店が日本に上陸した。ハンバーガー単品の中心価格帯は1280〜1580円とかなり高い。

 その後も続々と高級ハンバーガー店の上陸が続いた。15年11月に米ニューヨーク発の「シェイクシャック」が、16年3月に米カリフォルニア発の「カールスジュニア」が、17年3月に米ロサンゼルス発の「ウマミバーガー」が、それぞれ日本に1号店をオープンしている。

 それぞれの日本での店舗数はまだまだ少ないので、モスバーガーに対する直接的な影響は限定的だろう。しかし、「高級でおいしいハンバーガーチェーンが日本に相次いで上陸している」というイメージが人々に刷り込まれていったことで、モスバーガーの商品品質の優位性が相対的に低下していった側面があるのではないか。

 それまでは、マクドナルドとの比較で、モスバーガーは「品質が高い、高級ハンバーガー店」と見られてきたが、シェイクシャックなどの高級店が相次いで登場したことで、モスバーガーは中価格帯の中途半端なハンバーガー店に成り下がってしまった感が否めない。

 高級店の台頭は海外勢だけではない。モスバーガーよりも高価格帯で日本発の「フレッシュネスバーガー」がそのひとつだ。フレッシュネスバーガーの台頭は、モスバーガーの中途半端感をより際立たせている。また、フレッシュネスバーガーもモスバーガー同様に国産野菜を使うことにこだわっているため、モスバーガーのお株を奪っている側面もありそうだ。

 マクドナルドの復活も見逃せない。先述したような話題性のあるキャンペーンを実施したり、相次いで新メニューを投入したことで客足が戻り、日本マクドナルドホールディングスの売上高は鶏肉問題発覚以前の水準近くにまで回復している。客層が違うとはいえ、マクドナルドの復活がモスバーガーに対してまったくの影響がないとはいえないだろう。

 低価格帯のマクドナルドが復活し、高価格帯のシェイクシャックやフレッシュネスバーガーなどが台頭してきたことで、中価格帯のモスバーガーは両極から圧迫されるかたちで独自色を打ち出せないでいるように見える。この状態から脱するには新機軸を打ち出したり、話題性のあるキャンペーンや新メニューを強く打ち出していく必要があるだろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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