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市川市長選、選管の開票作業に異議相次ぐ…再選挙で税金1億円が無駄、市長不在へ

文=後藤豊/ライター、市川市民
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「今回の得票数で4番目だった高橋氏は、上の3名に比べて知名度がありません。すぐに再選挙となっては当選の確率は低いでしょう。異議申し立てが長引けば長引くほど、不利な候補にとっては巻き返す時間が稼げます」(同)

 高橋氏は選挙後、「市川市の環境問題に取り組む」などと積極的な政治姿勢を打ち出しているが、再選挙の見通しは立っていない。

再選挙を招いた自民党の“ゴタゴタ”

 さて、今回の市長選が再選挙となった要因のひとつが“自民党のゴタゴタ”である。

 自民党の千葉県連は前千葉県議の坂下茂樹氏と、同じく千葉県議(現職)の鈴木衛氏の2人を推薦。鈴木氏は出馬を見送ったが、自民系市議の支援は坂下氏、田中甲氏、小泉文人氏に分裂、自民党は候補を一本化できなかった。坂下氏の推薦決定後、自民党内の“反坂下派”が「(坂下氏を)候補者として推せない」と反発したことで、組織票は3つに割れたのだ。

 前回の千葉県議会議員選挙(市川市選挙区)で、坂下氏は1万9000票を獲得、鈴木氏も1万8000票を獲得しており、共に当選を果たしている。これを自民党の組織票と考えれば合わせて3万7000票は固いはずだったが、投票結果を見る限り、「自民党の反坂下票がほかの陣営に回った」(同)という解説は的を射ているようだ。このゴタゴタが再選挙を招いた一因といえる。

「自民党の長老が坂下氏を推したのには、理由があります。若い彼なら言うことを聞くし、何かと扱いやすいのです。そんな坂下氏ですが、市長選の公開討論会で自身の政策について語る際、ひとりだけパネルを出して読んでいました。パネルの裏にアンチョコがあったのかどうかはわかりませんが、あれでは自身の政策なのに自分の言葉で話ができないとみられますよね。個人演説会ではわかりやすく話をしているのに……。しかも、彼は公開討論が始まる前に、なぜか会場から姿を消してしまいました」(同)

 坂下氏が姿を消した後、入れ替わるように“暫定トップ”となった村越祐民氏が遅刻して登壇した。村越氏は、10月の衆議院議員選挙で希望の党の公認を得られずに出馬を断念している。途中退席した坂下氏、遅刻した村越氏のせいで「全候補者が一堂に会さない公開討論会」となったが、「無党派層に訴えるより大事な用事」でもあったのだろうか。

「坂下氏を当選させない」と躍起になった勢力があったのか、選挙戦のさなかには坂下氏を誹謗中傷する怪文書まで出回っている。一方の坂下氏は、選挙演説で「卑劣な者に負けてはならない」と得意の絶叫をしていた。

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