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山崎将志「AIとノー残業時代の働き方」

仕事の悩みを抜け出す4つの方法…上司に褒められることを期待しない、問題を2分類する

文=山崎将志/ビジネスコンサルタント
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 以前有名なプロレスラーが話していたことですが、彼は本を非常にたくさん読むそうです。その理由は、技術を磨きたいからとのことでした。たとえば痛いということにも、いろんな痛いがあります。力を入れるのにも、いろんな入れ方があります。その違いを説明できる言葉を持っていなければ失敗を繰り返すし、うまくいったことが再現できない。だから、ボキャブラリーを増やすために本を読んでいる、というわけです。

 言葉を変えると、自分の中での意味が変わってきます。たとえば、天気が悪いという表現がありますが、天気に良いも悪いもありません。自分がそう決めているだけです。同じように、他人が発する言葉に、良い言葉も悪い言葉もありません。「意地悪だ」と感じているのはあなた自身です。

 我々は自分自身が意味づけした主観的な世界に生きています。自分で主観を変えることができれば、生きている世界ががらりと変わります。たとえば職場に人間的にも能力的にも認められない人がいるとしましょう。仕事はいい加減でミスするとごまかすなど、悪いところばかりです。あなたがそう思っていることに対して、こう疑ってみてはどうでしょう。「悪いところがあるから認められない」のではなく、「認めたくないから悪いところを探している」と。つまり、その人に対して最初から認めないと決めていて、その目的を達成するために悪いところを探し、良いところに目を向けないと。

見方を変えるには目的を決めることから

 つまり、モノゴトに対する見方を変えてみてはどうでしょうか、ということです。では、どのように変えたらよいのでしょうか。それは、目的を決めることです。原因に着目して「こうだから、こうなってしまう」のではなく、目的を決めて「こうしたいから、こうする」というロジックでモノゴトを考えるということです。
 
 たとえば「仕事がうまくいかないのは、通っていた学校が悪かったからだ」と考えている人がいるとしましょう。この人は今置かれた状況の原因を、自分の過去に求めています。仮にそうだったとしても過去には戻れません。

 しかし実は、一所懸命やっても結果が出なかったときに、傷つきたくないからという理由で、逃げ道を自分で用意しているというのが、本当のところだったりします。この人に必要なことは、「仕事で成功する」という目的を持つことです。そして、そうすると決めることです。そうすれば、そのためには今から何をすればよいかが明確になるのと同時に、過去のことは関係がなくなります。

 そう考えていくと、我々の行動は常に「自分がどうしたいか、自分がどうなりたいか」によって決まることになります。目的が達成できるかどうかは、それは結果ですからわかりませんが、そのためにとるべき行動ははっきりします。

 ソフトバンクグループ社長の孫正義さんは、20代の頃から「自分は豆腐屋をやりたい」と言っていたそうです。その意味するところは、1兆、2兆と数えられるビジネスがしたい、ということです。実際現在の孫さんの会社の売上はグループ全体で9兆円を超えています。たまたま大きな目的を実現した人の話を例に出しましたが、目的の大小は関係ありません。目的によって行動が規定される、ということを私は言いたいのです。

 今回は「悩まない練習」というテーマでお話ししました。自分がコントロールできることに集中しコントロールできないことは無視する、他人から褒められたいという欲求を捨てる、モノゴトに対する見方を変える、過去にとらわれず目的を明確にする、という4点を実践することで、あなたが今抱えている悩みが解消するヒントになればと思っています。
(文=山崎将志/ビジネスコンサルタント)

 

山崎将志/ビジネスコンサルタント

山崎将志/ビジネスコンサルタント

ビジネスコンサルタント。1971年愛知県生まれ。1994年東京大学経済学部経営学科卒業。同年アクセンチュア入社。2003年独立。コンサルティング事業と並行して、数社のベンチャー事業開発・運営に携わる。主な著書に『残念な人の思考法』『残念な人の仕事の習慣』『社長のテスト』などがあり、累計発行部数は100万部を超える。

2016年よりNHKラジオ第2『ラジオ仕事学のすすめ』講師を務める。


最新刊は『儲かる仕組みの思考法』(日本実業出版社)

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