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リカちゃん人形、抜本改革で完全復活…ベイブレードもバカ売れのタカラトミー、なぜ株価急落?

文=編集部

メイ氏流の改革の成果

 メイ氏は1963年、オランダに生まれた。71年、8歳の時、父親の仕事の関係で、一家で横浜に移住。父親の転勤で、13歳でインドネシアに移った。米ニューヨーク大学大学院を修了後、「幼いころ育った日本で働くことにした」と語っている。メイ氏は流ちょうに日本語を話す。

 87年、オランダのビール会社の日本法人、ハイネケンジャパン(現ハイネケン・キリン)に入社。その後、日本リーバ(現ユニリーバ・ジャパン)、サンスターを経て、2006年、日本コカ・コーラに副社長兼マーケティング本部長として入社した。

 14年3月、タカラトミー社長の富山氏に迎えられ、副社長兼COO兼海外事業統括本部長に就任。翌年15年6月の株主総会で代表取締役社長兼CEOになった。

 ハイネケンから現在に至るまで、新ブランドの立ち上げや育成・強化、プロモーションを行ってきた。ブランド構築を得意とするマーケティングのプロだ。

 社長1年目に手掛けた商品改革が、着せ替え人形「リカちゃん」のブランド力の向上だ。子ども向けの商品ラインに加えて、母親世代の大人向け新ブランドを打ち出した。初回生産分の1000体をわずか3日で完売した。空港にガチャガチャを設置したり、さまざまな企業とのコラボレーションを実施し、ライセンスビジネスに力を注いだ。その結果、「リカちゃん」など定番商品は見事に復活した。

 15年7月、メイ氏は大きな賭けに出た。ベーゴマ型玩具「ベイブレード」の新作を発売したのだ。ベイブレードは、シリーズで累計出荷台数が3億5000万個を超えている。パーツを組み替えて改造できるバトル専用コマを新たに売り出した。16年11月からアニメを放送した効果で、米国を中心に販売が伸びた。

妖怪ウォッチ」の生みの親で人気ゲームの企画を連発するレベルファイブと提携してゲーム連動型の玩具に参入。今年の夏から、レベルファイブプロジェクトの家庭用ゲーム「スナックワールド」の関連玩具の販売を開始した。

 この間、組織を大幅に削減し、管理職の顔ぶれを刷新した。海外の不採算商品からの撤退、さらには海外事業で減損損失を計上するなど大ナタを振った。

 その結果、タカラトミーの業績は回復した。とはいえ、ライバルであるバンダイナムコHDの18年3月期の売り上げの予想は6200億円、営業利益は570億円、純利益は400億円だ。売り上げ約3.5倍、営業利益約5倍、純利益約5.7倍と大きな差があり、その背中はまだまだ遠い。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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