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永濱利廣「“バイアスを排除した”経済の見方」

今年の日本経済、過去最高水準への条件

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 さらに、18年に開催されるサッカーワールドカップも市場を盛り上げる要因になることが期待されるため、それもテレビの買い替え需要を促すだろう。結果として、来年期待される賃上げは、耐久財消費市場を活性化させる可能性が高いだろう。

米国の減税と利上げが日本経済に追い風


 米国経済も一つのキーワードとなろう。米国の共和党政権は来年から税制改革を実施することになっており、来年から10年間で1.5兆ドル、日本円にして170兆円規模の減税が実現することになっている。このため、米国経済が順調に拡大するなかで、大規模な減税が実施されることになれば、日本経済にとってもプラスの効果が高いだろう。

 一方、減税効果が出現するということは、それだけ米国経済の勢いも増すということになる。FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策の打ち出し方次第では、一時的に市場はネガティブに反応するかもしれないが、日本としても、米国経済の拡大を反映してドル高・円安となることで、株価の押し上げ要因となろう。実物経済面でも日本の財やサービスの競争力が増し、輸出も促進されるだろう。

 こうした点で、日本経済にとってプラスの面が大きいと推察される。また、世界最大の米国経済の正常化が、低位に張り付いている日本の長期金利の上昇に結びつけば、日本の金融機関にも好材料となるだろう。

日米の金融政策に注意


 一方、日銀が行っている10年国債利回り0%をターゲットにしたイールドカーブ・コントロールや、ETF(上場投資信託)を買い入れる金融政策は実体経済にポジティブと捉える向きもある。しかし、今後は日銀が金融政策の出口に向かう可能性もあることからすれば、金融政策の動きには注意が必要だろう。
 
 日銀の金融政策については、今年3~4月に執行部が交代することから、枠組みが変更されるリスクもあり、証券市場にとってもネガティブになるとの見方もある。米国で大型減税が実現し、FRBも金融政策の正常化を市場の見通しより加速させるという見方が強まれば、日本の長期金利上昇を通じて証券市場の調整が加速する可能性もあるだろう。
(文=永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト)

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