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石原藤樹「その医療の常識、本当ですか?」

なぜ、●●を食べると老化が進む? 老化を防ぐ食べ方

文=石原藤樹/北品川藤クリニック院長

リンを摂り過ぎないことが老化を防ぐポイント

 このようにリンと老化との関係が、最近注目をされるようになりました。しかし、今のところほとんどはネズミなどの動物実験のデータですから、人間でもその通りのことがあるのかどうかは、まだ確実とはいえません。

 ただ、人間でも慢性の腎臓病では、体がリンを外に出せなくなるので、リンが体にたまります。そして、慢性の腎臓病では老化に特徴的な石灰化や動脈硬化などの異常が進行しますから、人間でも同じことが起こっているという可能性は高いとはいえそうです。

 病気としての腎臓病がなくても、腎臓の働きやリンを体の外に出す働きは、年齢と共に低下していきます。

 そう考えると、老化を防ぐためには、大人になったらリンを摂り過ぎないことが何より重要なのです。リン(無機リン)は加工食品やインスタント食品、清涼飲料水などに多く含まれています。

 ソーセージやサラミ、ハムなどの加工肉をたくさん食べる人は、死亡のリスクが上昇するという報告がありますが、これもリンを多く含む食品ですから、リンの害として考えると説明がしやすいと思います(文献3)。

 健康を自負する皆さんも、加工食品やインスタント食品、清涼飲料水や加工肉などをなるべく避け、老化の予防を心掛けるようにしてください。
(文=石原藤樹/北品川藤クリニック院長)

(参考文献)
1.Kuro-0 M, Matsumura Y, Aizawa H, et al. Mutation of the mouse klotho gene leads to a syndrome resembling ageing. Nature. 1997 Nov 6; 390(6655): 45-51.
2.Watanabe R, Fujita N, Sato Y, et al. Enpp1 is an anti-aging factor that regulates Klotho under phosphate overload conditions. Sci Rep. 2017 Aug 10; 7(1): 7786.
3.Rohmann S, Overvad K, Bueno-de-Mesquita HB, et al. Meat consumption and mortality—results from the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition. BMC Med. 2013 Mar 7; 11: 63.

石原藤樹/北品川藤クリニック院長

石原藤樹/北品川藤クリニック院長

北品川藤クリニック院長。医学博士。1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科大学院卒業。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任
北品川藤クリニック

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