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イオン、偽りの「お客様第一」…スーパーの利益率ほぼ0%、違法広告で国が措置命令

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「お客様第一」ではなかったイオン

 これまで挙げたように、イオンの低成長の要因は「ネット通販が台頭していること」と「時代にそぐわないGMSを抱えていること」という2つの事象に答えを求めることができるが、もうひとつ根本的な問題を抱えていることも指摘しておきたい。

 それは、冒頭の岡田社長の発言にもあったが、「お客様第一が実践できていないこと」である。同社は企業理念において「お客様第一」を掲げているが、本質的にそれが売り場と経営で実践できていない。

 それを象徴する出来事がグループ会社のイオンライフで起きた。新聞広告に「追加料金不要」と記載しながら実際には別料金がかかるケースがあったとして消費者庁は12月22日、イオンライフに対し、同社が「イオンのお葬式」の名称で供給する葬儀サービスの表示について、景品表示法に違反する行為が認められたとして、再発防止を求める措置命令を出したのだ。

 ここで「イオンのお葬式」のビジネスモデルに簡単に触れておく。同サービスは、イオンライフが直接葬式を施行するわけではない。同社はあくまでブローカーにすぎず、実際の葬式を施行するのは同社と提携する全国約560社の葬儀社(18年1月時点)だ。顧客は葬式の料金を葬儀社へ支払う仕組みとなっている。イオンライフは葬儀社から手数料を得ていると考えられる。

 このようなビジネスモデルのため、追加料金を請求したのは葬儀社だと考えられる。イオンライフは関知していなかったのかもしれない。しかし、当然ではあるが、最終的な責任はイオンライフにある。報道によると、全体の4割ほどで追加料金が発していたということなので、そういった状態をのさばらせていた同社の罪は重いと言わざるを得ない。「イオン」の名を冠していることもあり、総帥企業のイオンも同罪だろう。

 イオンライフは顧客からアンケートを取るなどして、追加料金が発生していないかを厳しく管理する責任がある。「追加料金不要」と記載していたのだから当然だろう。たとえそのような記載をしていない場合でも、顧客に十分納得してもらった上で葬式を執り行うべきではないか。いずれにしても公取委から措置命令が出たということは、顧客不在の論理がまかり通っていたと批判されても仕方がないだろう。

「イオンのお葬式」のビジネスモデルそのものが「お客様第一」を実践できないようになっているとも考えることができる。前述した通り、イオンライフはあくまでブローカーにすぎないため、最終消費者に対するサービス品質を同社が全面的に管理することができない。「お客様第一」を真に実践するのであれば、同社自らがサービスを提供するべきだろう。それができないなら葬儀業に手をつけるべきではないのではないか。

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