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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

急増する「生活苦老人」へ転落しないために、これだけは知っておくべき情報リスト

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 そのなかでも確定拠出年金(iDeCo)は万人にお勧めだと私は思っています。なぜなら、掛け金は全額所得控除なので所得税と住民税が節税でき、60歳までは引き出せない制度ゆえに強制的に老後資金が手当てできるからです。確定拠出年金は一般の会社員でも加入できるので(会社の企業年金制度の内容によって変わる)、余裕がある人にはお勧めです。もちろん派遣社員やフリーターでも加入できます。

 それでも不安な人で資金的な余力があれば、民間の保険(貯蓄型の生命保険や個人年金保険)をプラスしてもよいと思います。ただし確定給付型の保険・年金は、将来インフレになれば実質的に目減りしますし、他の金融商品の金利が上昇しても、低い金利のまま資金がロックされてしまうのが欠点です。

 とはいえ、払い込み中は保険料控除が受けられ節税になり、とりあえず確定の金額が受け取れるのは安心材料のひとつといえるでしょう。

マイホームを買っておくこと

 一生賃貸であれば、年金の中から家賃を捻出しなければならないので、都市部では苦しくなることが予想されます。ただ、今後家はますます余るようになるので、地方・郊外に住むのであれば、家賃は激安になるでしょうから、あまり問題はないと思われます。

 しかし老後も都市部に住みたいという場合は、現役のうちにマイホームを買っておくこともひとつの手です。仮に老後にお金がなくても、とりあえず住むところには困らないというのもまた、ひとつの安心材料だからです。定年退職と同時にローンの返済が終わるようにしておけば、多少は修繕費がかかったとしても老後の住居費はかなり抑えられます。「持ち家は負債」といわれることもありますが、こう考えれば「老後の住居費の前払い」といえるでしょう。

 今は低金利ですし、ローンを組めば通常は団信(団体信用生命保険)に加入しますから、生命保険の代替にもなりえます。住宅ローン控除も受けられますから、節税にもなる。さらに利便性の良い場所であれば、売ることも貸すこともできるし、リバースモーゲージ(自宅を担保にお金を借り、自分が死んだら金融機関がそのマイホームを売却して資金回収する仕組み)も使える可能性が高まりますから、老後の選択肢は増えるでしょう。

 ただしマンションの場合、修繕積立金は一般的に徐々に高くなりますから、ローンを完済しても、管理費+修繕積立金で結構な金額が毎月かかります。また、大規模修繕のために一時金を徴収されるケースもありますし、老朽化しても建て替え問題の協議が難航しているマンションもあり、注意が必要です。

 なお、戸建てにしろマンションにしろ、将来転居の必要に迫られたときにマイホームが足を引っ張らないように、「貸せる」「売れる」ような場所を選ぶことです。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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