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三井物産の凋落、社内で「役員総退陣論」高まる 伊藤忠、「ポスト岡藤社長」は岡藤

文=編集部
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丸紅はどうなる

 丸紅は朝田照男会長と國分文也社長の間に意思疎通がないとされている。「朝田会長が自ら退けば國分氏は留任。会長が辞めないとなると、國分氏が朝田氏を道連れに辞めることもあり得る」(丸紅の元幹部)との観測がある。社内の雰囲気は「國分さんの続投。交代の匂いがまったくしない」(同社幹部)との見方が大勢だ。だが、幹部の間でも、立場によって捉え方はいろいろある。

 丸紅の社長の指定席は紙パルプ部門。財務出身の朝田氏が就くまで、同部門が20年間社長の座を独占してきた。一方、國分社長は石油・エネルギー部門出身だ。

 國分社長の続投となると、秋吉満副社長(78年入社、生活産業グループCEO)の目はなくなり、18年の人事で専務執行役員に昇格する寺川彰常務執行役員(81年入社、素材グループCEO、化学品出身)が浮上してくる。対抗は柿木真澄専務執行役員 (80年入社、電力・プラントグループCEO、機械出身)、大穴は小林武雄常務執行役員(81年入社、紙パルプ本部長、機械出身)となる。

三井物産は安永社長が人事権を握るか

 三井物産は安永竜夫社長と飯島彰己会長の“二頭政治”から安永社長がやっと人事権を奪取したとの情報がある。安永社長色が前面に出た人事になるかどうかが焦点だ。

 安永氏は15年4月、32人抜きにより同社史上最年少の54歳で社長に就任した。同氏は83年の入社。加藤広之副社長(79年入社)、本坊吉博副社長(79年入社)、鈴木愼副社長(81年入社)、田中聡副社長(81年入社)や専務などは全員、先輩にあたる。社内取締役9人のなかで、60年生まれの安永氏は依然、最年少だ。

 飯島会長をはじめ古参役員が退陣して、84年以降に入社した幹部を何人抜擢できるか、安永氏の役員人事での腕の見せどころである。

 伊藤忠に比べて三井は元気がない。18年3月期の最終利益を伊藤忠並みの4000億円に引き上げたが、株価の上昇テンポは鈍い。すでに伊藤忠に株価で逆転を許し、17年11月にはとうとう住商にも抜かれ、業界4位となった。

「これではいけない」(若手幹部)という危機感が出てきた。「飯島会長が代表権を手放し、安永社長に全権を委譲しない限りダメ。安永さんより年長の役員には総退陣していただかないといけない」(同)ことになる。交代が決まった日本経済団体連合会(経団連)の榊原定征会長の言うことを聞いた数少ない経団連副会長だった飯島氏は岐路に立たされている。

 株式時価総額は、三菱商事が4兆9499億円、伊藤忠が3兆4970億円、三井が3兆2912億円、住商が2兆3949億円、丸紅が1兆4183億円(17年12月29日終値時点)。三井は時価総額でも伊藤忠に後れをとっている。

 名門、三井の復活は、安永社長が“自前”の役員人事を実行できるかどうかにかかっている。

 なお、三菱は垣内威彦社長の続投が決まっている。
(文=編集部)

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