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中曽根陽子の教育最前線

中学入試が大変貌…「21世紀型能力」問う適性検査型が激増、知識だけでは合格困難

文=中曽根陽子/教育ジャーナリスト
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 難関校ほど、こうした思考力を問う問題を出題する傾向が強かったのですが、ここ数年、さまざまな学校が、新タイプの入試を実施しています。首都圏の中学入試では、2014年から17年にかけて、「適性検査型(総合型・思考力・自己アピール)入試」を実施した私立中学校は、38校→53校→86校→120校と、年々増加。さらに18年入試では、計136校の私立中学校が、同型式の入試を実施することが判明しました(首都圏中学模試センター調べによる)。

 私立中学校が新タイプ入試を導入する背景には、当初は公立中高一貫校受検者(公立中高一貫校は受験ではなく受検といいます)の受け皿といった感がありましたが、ここ数年、事情が変わってきているようです。その流れを変えたのが、やはり大学入試改革ではないでしょうか。

 私立中高のなかには、以前から目前の大学受験突破のためだけではなく、社会で必要とされる本質的な力を身につけることを目的とした教育を行っている学校が相当数あります。

 しかし、既存の大学受験が主に知識を問う問題である限り、生徒がその関門を突破するための力を身につけさせることに時間を費やさざるを得なかったという側面がありました。

 しかし、今回大学入試が思考力や表現力を問うものに変わることがはっきりしたので、その辺りの矛盾が解決されることになります。

最先端の「レゴシリアスプレイ」をベースにした入試も出現

 そこで、教育改革を先取りして21世紀型能力の育成を行うことを明確に打ち出す私立中高が増加。そのアピールのひとつとして、新タイプの入試を行う学校が増えているということもできます。内容は、学校によって、「合科型」「PISA型」「思考力型」「自己アピール型」など様々ですが、中には、レゴを使うユニークな入試もあります。聖学院中学校(東京都)の「思考力ものづくり入試」がそれです。

 17年度は、最初は「自分の得意なこと」をレゴの作品で表し、150字の記述で書く問題。2番目は、配布された問題用紙にある、海外の食糧問題と食糧自給率などの資料(表やグラフと文章)を見て、その解決方法をレゴの作品でつくらせ、やはり150字の記述で書かせるもの。最後に、自分自身がその解決案にどう関わっていきたいかを、やはり150字程度で記述させる問題でした。

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