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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

ソフトバンク、「Pepper元開発リーダー」不使用要請は「言論の自由への抵抗」

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント
ソフトバンク、「Pepper元開発リーダー」不使用要請は「言論の自由への抵抗」の画像1ソフトバンクのPepper(「Wikipedia」より/Tokumeigakarinoaoshima)

 ソニーが犬型ロボットを再リリースして予約販売は即完売を繰り返すなど、“ロボットの時代”が到来した。そんななか、人型ロボットの代表的商品であるPepperを発売しているソフトバンクが、その開発にかかわった林要氏(現GROOVE X社CEO)の呼称についてマスコミへ「異例の要請」を行い、話題となっている。

 マスコミがある人物をどのように評価するか、呼称するかということはマスコミ各社の認識の範疇ともいえ、表現の自由、言論の自由にかかわることだ。今回は「報道の自由」に対して「要請」を出したソフトバンク側の言い分を検証する。

林氏はPepperの「開発リーダー」だったのか、否か

 ことの発端は、1月23日にPepper開発元のソフトバンクロボティクス・冨澤文秀社長の名義で、不思議な通知文が報道各社に送られてきたことだった。

「報道関係各位
(略)元弊社社員であり、GROOVE X株式会社の代表取締役である林 要氏についての報道において、林氏をPepperの『父』『生みの親』『(元)開発者』『(元)開発責任者』『(元)開発リーダー』などと呼称することで、あたかも林氏が弊社在籍当時Pepperの技術開発の責任者又は中心的存在であったかのような印象を与える表現が散見されます。

ソフトバンク、「Pepper元開発リーダー」不使用要請は「言論の自由への抵抗」の画像2

 しかしながら、林氏が弊社又はソフトバンク株式会社に在籍中に、Pepperに関して、企画・コンセプト作りやハード又はソフトの技術開発等、いかなる点においても主導的役割を果たしたり、Pepperに関する特許を発明したという事実はございません。また、事実として、当社またはソフトバンク株式会社のロボット事業において『開発リーダー』という役職や役割が存在したことはありません」

「林氏にPepperの『父』『生みの親』『(元)開発者』『(元)開発責任者』『(元)開発リーダー』の呼称を用いるのは明らかな誤りであり」

「メディアの皆様におかれましては、今後林氏について報道される際は、『Pepperプロジェクトの(元)プロジェクトメンバー』など、Pepperの技術開発の責任者又は中心的存在であったかのような印象を与えない呼称を使用していただきますようお願い申し上げます」

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
有限会社MBA経営 公式サイト
山田修の戦略ブログ

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