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富士フイルムの不振ゼロックス買収、報じられない重大リスク…成長戦略と逆行か

文=編集部
富士フイルムの不振ゼロックス買収、報じられない重大リスク…成長戦略と逆行かの画像1富士フイルムHD・古森重隆会長兼最高経営責任者(ロイター/アフロ)

 富士フイルムホールディングス(HD)は1月31日、米ゼロックスを買収すると発表した。まず富士フイルムHD傘下の富士ゼロックスが金融機関から約6700億円を借り入れ、その資金を元手に富士フイルムHDが持つ全自社株の75%を取得、米ゼロックスの完全子会社になる。続けて、富士フイルムHDがゼロックスの第三者割合増資を約6700億円で引き受け、ゼロックスに50.1%出資する。今年7~9月に買収の手続きを完了させる。

 あわせて富士ゼロックスは国内外で従業員の2割にあたる1万人を削減。米ゼロックスと重複する開発部隊や生産設備、物流網を整理して、2022年度までに年間17億ドル(1800億円)以上の収益改善効果を見込むとしている。

 富士ゼロックスは1962年2月、英ランク・ゼロックスと富士写真フイルム(現・富士フイルムHD)の折半出資で設立。97年10月、米ゼロックスがランク・ゼロックスを完全子会社にした。2001年3月、米ゼロックスの業績不振もあって、富士写真フイルムが富士ゼロックスの出資比率を75%に引き上げた。米ゼロックスが欧米などで事業を展開。富士ゼロックスは日本や中国を含むアジア・太平洋地域を営業エリアとし、地域の分担を明確にしてきた。

 今回の統合で新生ゼロックスの売上規模は計2.1兆円に拡大し、複写機・複合機メーカーでは、リコー、キヤノンと並んで世界最大級となる。「真の一体経営で世界展開が可能になる」。都内で記者会見に臨んだ富士フイルムHDの古森重隆会長兼最高経営責任者(CEO)はこう強調した。

「古森氏の最大にして最後の賭け。バクチかもしれない」(外資系証券会社のアナリスト)

買収の仕掛け人は「物言う株主」のカール・アイカーン氏

 富士フイルムHDによる米ゼロックス買収の仕掛け人は、米ゼロックスの大株主で米著名投資家カール・アイカーン氏だった。米通信社が衝撃的なニュースを報じた。

<米ゼロックスの筆頭株主と3番目の株主である著名投資家カール・アイカーン氏とダーウィン・ディーソン氏が連携し、同社の戦略的な代替案を探ることや富士フイルムホールディングスとの合弁事業見直しを強く迫った>(ブルームバーグ1月23日付)

BusinessJournal編集部

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