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日本の農産物、海外でブームの兆候…「安心・安全・うまい」で輸出激増

文=山田稔/ジャーナリスト
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 農林水産物の輸出額が過去最高を更新し続けている。農林水産省が1月12日に発表した2017年1~11月の輸出額は約7158億円で、前年同期比6.8%増だった。通期では過去最高だった16年の7502億円を上回るのは確実で、5年連続で過去最高を更新する見通しだ。農水省は「20年に輸出額1兆円」の目標を掲げていたが、輸出の好調を受け昨年、目標を19年へと1年前倒しした。

 この数年間の輸出額の増加はめざましい。12年の輸出額は4497億円で、翌年以降、5505億円、6117億円、7451億円、7502億円と増え続け、17年は通期で8000億円も視野に入ってきたとしている。8000億円を達成できれば、5年間で1.78倍の伸びとなる。16年に伸びが目立った農産物の17年(1~11月)の推移は、以下の通りである。

※以下、農産物 16年実績(前年比)、17年(1~11月)実績(前年同期比)
・ぶどう 23億円(50.4%増)、28億円(30.4%増)
・いちご 11億円(35.3%増)、14.5億円(59.0%増)
・牛肉 136億円(23.1%増)、161億円(42.2%増)
・米 27億円(21.2%増)、37億円(31.0%増)
・緑茶 116億円(14.3%増)、130億円(26.3%増)

 世界レベルでの和食の人気の高まりに加え、PR・販促活動の効果が現れ、多くの品目で輸出額が過去最高を更新している。ぶどう、いちご、米などは絶対額は低いが、逆にいえば、まだまだ伸びしろが期待できる産物だ。

輸出先はアジアが5539億円で断トツ、北米は1149億円

 16年のデータをベースに、農林水産物の輸出数量・金額と輸出先をチェックしてみた。輸出品の内訳別では農産物が4593億円(前年比3.7%増)で全体の61%、水産物が2640億円(同4.2%減)で35%、林産物268億円(同1.9%増)で3.6%となっている。

 輸出実績の金額上位(100億円以上)13品目は次の通り。

1.ホタテ貝(548億円)
2.アルコール飲料(430億円)
3.真珠(304億円)
4.ソース混合調味料(274億円)
5.たばこ(219億円)
6.清涼飲料水(194億円)
7.菓子(182億円)
8.さば(180億円)
9.播種用の種等(146億円)
10.牛肉(136億円)
11.ぶり(135億円)
12.りんご(133億円)
13.緑茶(116億円)

 日本人も大好きなホタテ貝が断トツである。輸出先はアジアが5539億円で全体の74%、北米が1149億円で15%、欧州が486億円で6.5%となっている。地理的に近いアジアが圧倒的だが、対前年の増減で見るとアジアは1.2%増と伸びは鈍った。

国・地域別の上位10は次の通り。

1.香港(1853億円)
2.米国(1045億円)
3.台湾(931億円)
4.中国(899億円)
5.韓国(511億円)
6.タイ(329億円)
7.ベトナム(323億円)
8.シンガポール(234億円)
9.豪州(124億円)
10.フィリピン(115億円)

 欧州勢では、11位にオランダ(114億円)、14位にドイツ(67億円)、15位にフランス(65億円)が登場する。ちなみに、EU地域は28カ国合わせて423億円で、韓国を下回る水準にすぎない。

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