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伊藤博敏「その裏に迫る」

オリンパスを社員弁護士が提訴…贈収賄疑惑を指摘した法務本部長を左遷か

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オリンパス本店・幡ヶ谷事業所(「Wikipedia」より/Kamemaru2000)

 光学機器メーカーのオリンパスで、社員弁護士が会社を訴えるという前代未聞の事態が進行している。弁護士としての職業倫理に則り、会社幹部や関係先に注意を喚起するメールを送ったところ、アクセス権と仕事を奪われ精神的苦痛を受けたので、損害賠償として500万円を請求するというもの。訴状の日付は1月19日で、これから公判が始まる。何があったのか――。

 話は12年前にさかのぼる。オリンパスは中国広東省深圳にOSZという製造孫会社を持つが、06年、ここが中国税関当局との間でトラブルを引き起こした。OSZの在庫と税関当局の帳簿記録に差が発生、税関当局は虚偽申告を疑ったのである。

 OSZは、この問題をズルズルと棚上げにしていたが、税関当局が14年に帳簿の電子化を進めることになり、放置は許されなくなった。この問題を解決するためにOSZが雇ったのが、「凄腕だが、賄賂を使うなど危ういところがある」(中国事情通)という評判の地元コンサルタントのA社だった。

 結果、OSZは税関当局に罰金を払うことなく問題を解決することができた。OSZからA社に支払われた報酬は4億円。高いか安いかは評価の分かれるところだが、「A社が贈賄工作を行ったのではないか」という声が上がるようになり、オリンパスは外部の弁護士などを含めた調査委員会を設置、調べることになった。

 その結果、調査委員会は15年10月、「最終報告書」を作成。結論は「日本、米国、および中国の贈賄関連法令に違反する行為があったとの認定には至っていない」というものだった。表現は微妙で、贈賄を否定したものではないし、報告書は冒頭に「法的意見の表明ではない」と、逃げを打っていた。

 これで幕引きとならなかったのは、OSZの親会社であるオリンパス中国法人の法務本部長が、贈収賄違反リスクは今も高いとして、「会社から独立した調査主体による徹底した再調査」を提唱してきたからである。オリンパスは、この諫言を認めなかった。逆に同年11月末、新設したガバメントアフェアーズ統括室付に異動させるという内示を出した。明らかな左遷である。

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