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木村隆志「現代放送のミカタ」

『きみが心に棲みついた』が『海月姫』ほどヒロインに共感できない理由…極端な「明と暗」

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 おもしろいのは、『海月姫』の舞台が“オタク女性の集まる暗いアパート”であるのに対して、『きみが心に棲みついた』の舞台は“明るく華やかな下着メーカー”であること。しかし、物語の世界観は『海月姫』が明るくほのぼのしていて、『きみが心に棲みついた』はどんよりと暗いムードが漂うなど、「明るさ」と「暗さ」がガラッとひっくり返る。

 漫画原作のドラマには極端な舞台設定と世界観がつきものだが、両作は「明るさ」と「暗さ」という真逆の方向性で突き抜けているのだ。

「恋愛ドラマ絶滅」の危機に立ち向かう2枠


「最終的にどこまで突き抜けられるか?」という面でポイントになるのは、演出家の働き。『海月姫』は、『デート~恋とはどんなものかしら~』(フジテレビ系)や映画『ミックス。』(東宝)などを成功させたラブコメ巧者の石川淳一監督が手がけるだけに安定感たっぷり。

 3話では、月海と蔵之介がクラゲドレスをつくり、修は月海への思いを宣言するなど、一歩ずつ距離が縮まっていく様子が描かれたが、中盤以降もしっかり笑わせながらスローペースで恋愛を進めていくだろう。

 対して、『きみが心に棲みついた』は、福田亮介、金子文紀らTBS火10枠に慣れたメンバーをそろえて、こちらも万全。3話では、「星名の命令で今日子が下着姿をさらされる」という強烈なシーンがあったが、今後、その怖さをどこまで突き抜けたものにするのか興味深い。

 現在、プライム帯(19~23時)で恋愛ドラマを放送しているのは、ほぼフジ月9とTBS火10のみ。そのほかのドラマ枠は、1話完結の事件・問題解決ドラマが半数以上を占め、残りも職業モノがほとんど。恋愛ドラマの火を消さないためには、両枠が足を引っ張り合うことなく、正々堂々と競い合い、定期的にヒットを生み出していく姿勢が求められている。
(文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト)

●木村隆志(きむら・たかし)
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』(フジテレビ系)、『TBSレビュー』(TBS系)などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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