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人気の糖質制限食品、「砂糖不使用」の罠…人工甘味料で健康被害の恐れも

文=郡司和夫/食品ジャーナリスト
人気の糖質制限食品、「砂糖不使用」の罠…人工甘味料で健康被害の恐れもの画像1「Thinkstock」より

「糖質オフ」「糖質ゼロ」「ロカボ」といったうたい文句の低糖質食品、糖質制限食品が、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、外食メニューに氾濫しています。

 ロカボというのは、糖質(糖・炭水化物)を制限した食品やそれを用いた食事法のことを指します。食品市場のリサーチで知られる富士経済の調べでは、2016年の「低糖質食品」「糖質制限食品」市場の規模は、前年比7.7%増の3431億円と、急拡大しています。食品メーカーやコンビニチェーンも競って新製品を開発しており、すでに5000億円市場になっているとの推計もあります。急拡大の背景には消費者の健康志向の高まりがありますが、何よりもロカボ商品は糖質カットしているにもかかわらず、甘みがあってクセになるほどおいしいことが大きな要因です。甘くておいしく低カロリー、しかも手軽な価格なのですから、売れないはずはありません。

 ロカボ食品などの糖質制限食品は、砂糖や小麦粉は使用していません。では、それらを使わずに、どうやって甘くおいしくさせているのでしょうか。そこに注意しておかないと、糖質制限食品で逆に健康に悪影響が出てしまうことになりかねません。

 まず、気を付けなければいけないのは、甘味料にどんな物質が使われているかです。多くの糖質制限食品には、コストが砂糖の4分の1以下で済む人工甘味料が使われていますが、それらは毒性の指摘があるものがほとんどです。以下の人工甘味料が原材名表示欄に記載されていれば、避けたほうが賢明です。

【アスパルテーム】

 アミノ酸由来の人工甘味料で砂糖の200倍の甘さを有します。アセスルファムK(カリウム)、スクラロースと並び、「人工甘味料御三家」と呼ばれています。アセスルファムKと1:1の割合で使うと、甘みが40%増します。

 米国で開発され、日米とも1983年に食品添加物に指定されましたが、当初から毒性が問題になっている人工甘味料です。アスパルテームを摂取すると、体内で神経毒といわれる有害物質のメタノールが形成され、さまざまな健康被害を引き起こす恐れがあります。マウスの実験では白血球の減少が見られています。

 また、アスパルテームにはフェニルアラニンが含まれています。そのため、フェニルアラニン尿症患者が大量に摂取した場合、健康に及ぼす影響は重大です。特にフェニルアラニン尿症の新生児の場合、影響はより深刻になるといわれています。

【アセスルファムK】

 2000年に食品添加物に指定。甘さは砂糖の200倍あります。動物実験では甲状腺異常、肝機能障害が起きています。また、アレルギー症状が出る人もいます。

【スクラロース】

 英国で農薬の研究中に偶然、発見されたとされる人工甘味料。砂糖の600倍の甘さで、1999年に食品添加物に指定されました。分子構造に塩素を含み、有害化学物質のダイオキシンに近い性質があります。ラットの実験では、善玉菌も含めた腸内細菌を殺してしまうという結果が出ています。米国ワシントン大学医学部研究チームのヤニナ・ベビーノ博士は、人がスクラロースをブドウ糖と一緒に摂取すると、インスリンが多く分泌され、糖尿病発症のリスクが高まると報告しています。

【ネオテーム】

 砂糖の1万倍というすさまじい甘さを有す人工甘味料で、2007年に添加物に指定されました。遺伝子組み換え作物を推進するモンサント社が製造元です。アスパルテームに、特定悪臭物質で有毒ガスを発生する有害化学物質「2-ジメチルブチルアルデヒド」を添加して製造されます。熱に弱く水に溶けやすいアスパルテームに対して、ネオテームは熱に強く水に溶けやすいという特徴があるので、食品業界では非常に注目されている人工甘味料です。しかし、毒性はアスパルテーム以上といわれているので、もっとも避けるべき人工甘味料です。

【サッカリンナトリウム】

 砂糖の350~700倍の甘さ。不純物のスルホル酸アミドを含む低純度のものは、動物実験で子宮がん、膀胱がんを引き起こしています。1960~70年代、ダイエット食品に非常に多用されました。高純度のものは無害との報告が米国で出ていますが、中国製のサッカリンナトリウムなどは注意が必要です。

【アドバンテーム】

 砂糖の2~5万倍の甘さを持つモンスター人工甘味料。味の素がアスパルテームを元に開発し、2014年に食品添加物に指定されました。ネオテーム同様、避けるべき人工甘味料です。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)

郡司和夫/食品ジャーナリスト

郡司和夫/食品ジャーナリスト

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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