ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 平昌パラリンピック閉幕日が危ない  > 3ページ目
NEW

平昌パラリンピック閉幕日が危ない…楽観的過ぎたアベノミクス、修正局面入りの懸念広がる

文=編集部

ブラックマンデーとの相違点

リーマン・ショックのような制御不能な事態は起きにくくなっている」というのが、アナリストやエコノミストの共通認識だが、それにしてもブラックマンデーの時と、あまりに似過ぎているのが気掛かりである。

 FRBのジェローム・パウエル新議長は、2月5日に正式に就任した。いきなりNYダウの史上最大の下げに見舞われ、波乱の船出となった。パウエル氏は近く、金融政策について議会証言をする予定だ。早くも、ここで力量が試される。

 ブラックマンデーでは米国株は2割以上下げ、世界の株安の連鎖が起きた。FRBの議長がポール・ボルガー氏からアラン・グリーンスパン氏に代わった直後にブラックマンデーが発生。今回もジャネット・イエレン氏に代わってパウエル氏が議長に就任したばかりだ。

 ブラックマンデー当初、世界的に景気は拡大基調で、一部の国ではインフレ懸念が高まり、金利が上昇に向かっていた。インフレ基調、金利上昇という点でも今回と一致する。米国も日本も低金利(日本はマイナス金利)が当たり前と思っていて、市場(マーケット)が低金利に慣れ過ぎてしまっていたのかもしれない。

 為替レートは1ドル=108円台を付け、パウエル新議長の発言次第で、さらに円高に向かう可能性もある。円高が勢いづくと105円を突破し、年央から後半にかけて100円もあり得る。

 この時期の株安・円高は企業経営者の賃上げ意欲を削ぐ。特に株価が急落した輸出関連企業はそうだろう。自動車の春闘がどうなるかが注目点だ。

 株式市場では、日本株の一段安に備える投資家が増えている。株安局面になれば利益が出る「売る権利(プット)」の売買高が急増する。実際、2月6日の株価指数オプション市場で13年5月以来の売買規模となった。

 日本株が2番底を固めるのはいつか。それを確認するまで、素人は買いは見送ったほうが賢明かもしれない。
(文=編集部)

追記

●バーナンキ・ショックに酷似との見方が急浮上

 9日の日経平均株価は一時、2万1119円(771円安)まで下落。前週(2月5~9日)の終値は2万1382円(前々週比1891円安)。1月23日の昨年来高値に対する下げ幅(終値ベース)は2741円となった。米国の長期金利の急上昇をきっかけに株式のポジションを縮小する動きが世界的に広がり、株価は波乱となった。

 今回の下げを2013年5月の「バーナンキ・ショック」と重ねる向きも増えている。同年5月23日、日経平均は1143円の急落後も下げ止まらず、15営業日目に下落率はとうとう2割に達し、ようやく底を打った。高値、1万5942円から1万2994円まで下げ、株価が修復したのは年末で7カ月間を要した。

 今回の急落後3営業日目の2月9日時点で、日経平均の動きは、バーナンキ・ショックの時とパターンが酷似している、との指摘が出ている。6日と9日の暴落で東京市場は明確な調整トレンドに転じた。バーナンキ・ショックの下げはFRB(米連邦準備制度理事会)のテーパリング(緩和縮小)の観測がきっかけだった。今回は米金利の上昇が不安材料視されており、構造的に似通っている。

 バーナンキ・ショック型だとすると、株価が修復するまでに半年の我慢が求められる。株価上昇が当たり前だと思っている向きには、長くて苦しい耐え忍ぶ期間になるかもしれない。それでも、「株価は上がることも、そして下がることもある」という鉄則を憶い出しただけでも、悪い話ではないはずだ。

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

平昌パラリンピック閉幕日が危ない…楽観的過ぎたアベノミクス、修正局面入りの懸念広がるのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!