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松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

銀行預金、10年放置で権利消滅→民間公益活動に活用…預金消失を防ぐ方法

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト
銀行預金、10年放置で権利消滅→民間公益活動に活用…預金消失を防ぐ方法の画像1「Thinkstock」より

 あなたが初めて自分で口座を開いた銀行はどこだろう。その口座は、まだ現役で活動中だろうか? 長いお付き合いになっている口座もあれば、青春の思い出と共にもはや忘却の彼方に――となっているかもしれない。

「どうせ残高は数百円だから……」と長い間放ってある口座のひとつや2つは、誰にでもありそうだ。しかし、そのお金が今後は別の誰かに使われることになるかもしれない。

 2018年1月から「休眠預金等活用法」が施行された。それによると、09年1月1日から10年以上、入出金等の取引のない預金等(普通預金、定期預金、貯蓄預金等)は民間公益活動に活用されることになる。

 具体的には、子どもおよび若者の支援にかかわる活動、日常生活または社会生活を営む上での困難を有する者の支援にかかわる活動、地域活性化等への支援にかかわる活動等を促進するために、それを行う民間の団体に対し、助成金を出したり貸し付けたりして使われる予定だという。

 政府の説明資料によると、預金者等が名乗りを上げないままとなっている休眠預金等は、払い戻し額を差し引いても毎年700億円程度(平成25~27年度時点)にも上るとか。そこで、「預金等の公共的役割に照らし、預金者等に払い戻す努力を尽くした上で、休眠預金等を広く国民一般に還元」しようという考えの下で休眠預金等活用法が施行された。

 確かに、だいぶ前から「政府が休眠預金を東日本大震災の復興財源に使えないかと考えている」といった報道は流れていた。しかし、忘れているお金とはいえ、人のお金をいきなり召し上げるとは乱暴な話で、「そんなこと、果たして勝手にできるのか」と半信半疑だったのだが、しずしずと法律は動き出していたのだ。働き方を改革するより、ずっと素早く。

 そもそも、休眠預金は誰のものか。政府としては、「忘れ去られた預金は10年たてば権利が消滅することになっているのだから、公共のために使わせてください」という理屈だ。なお、強制的に取り上げるのではなく、「いつでも、預金等があった金融機関の窓口で休眠預金等の払い戻しを受けることが可能ですよ」とも強調している。

 貧困家庭の子どもや職に就けず引きこもりがちな若者、社会的弱者を支援するためといった公益性のある目的についてはともかく、「じゃあ、なんで民間団体に渡すのか」等のいろいろな声があるだろう。そこで、内閣府はパブリックコメントを3月10日まで募集中だ。意見のある方は、ぜひお寄せいただきたい。

 それはそうとして、実際に自分に休眠預金がある場合、そのお金はどうなるか。順番に見ていこう。

休眠預金と認定された後でも払い戻し可能

 まず、定義から見ていこう。「休眠預金等」とは、10年以上入出金等の「異動」がない「預金等」を指す。この「異動」の範囲は各金融機関の判断で、通帳の記帳、残高照会、顧客情報の変更等を対象に加えることも可能で、各銀行のホームページ等で公表されている。

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
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