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ケースで見る!「働くハイスペック女子」への処方箋

過食症に陥った32歳女子、休職→復職直後にイキイキして彼氏ができた理由

文=矢島新子/産業医、山野美容芸術短期大学客員教授、ドクターズヘルスケア産業医事務所代表

行動活性を上げる

 では、ハイスペック女子のパートナー男子は、果たしてどういう人たちなのでしょうか。いろいろな方のお話をお聞きするなかで特徴的だと思うのは、女性がキャリアをつくる過程で自然に出会っているケースが多いことです。たとえば、大学の同級生同士や社内恋愛でのお付き合いなどは、よくあるようです。いわゆる同レベルのカップルです。

 先ほどのK.S.さんですが、結局その2カ月後には不眠症状が悪化し、残念ながら休職を勧めざるを得ない状況になってしまいました。休職して治療を受け、少しずつ状態が安定してくると、復職に向けての準備が始まります。

 私はいつも、行動活性を上げるために少しずつ勉強や趣味の活動を始めるよう、復職の準備段階に入った患者さんに対して指示をすることにしています。また、生活が過度に乱れていないか、また睡眠が十分とれているかなどを確認するために、生活記録をつけていただきます。彼女のある日の記録を見ると、「勉強会に出席」と書いてありました。仕事に関連する分野の勉強会に自発的に参加しているということでしたので、もう安心です。

 産業医は、社員の復職後もフォローアップのための面談を行います。復職後3カ月ほどたったある日、K.S.さんと面談をしました。仕事がとても楽しくできています、と以前とは別人のような笑顔で話をしてくれました。実は最近になって勉強会仲間の彼氏ができて同棲を始めました、という早業つきです。平日は会社と自宅の往復だけ、週末はテレビとネットにしか興味がない女子に出会いがないのは当然です。彼女のお相手は、彼女にぴったりなハイスペック男子でした。

キャリア構築に取り組む

 20代から30代にかけての時期は、性別にかかわらず、自分のキャリア構築に全力をあげて取り組まなければなりません。仕事をがんばる以外に、社会人大学院や資格取得のための講座などに通う人が多いのもこの年代です。婚活ハイスペック女子たるもの、ハイスペック男子と同じ行動をとってキャリア構築に取り組むことにしてはいかがでしょうか。そこらの婚活パーティーなんかに出るよりも、よっぽどいい人脈がつくれるのではないかと思います。

 自分のことをハイスペックだと言うつもりはないのですが、私自身を振り返ってみれば、合コンで出会った人とお付き合いしたことはありませんでした。やはり、大学、大学院や勉強会の輪が広がって、という感じだった気がします。学びの場では素顔が出やすく、相手のお人柄もよくわかります。そしてもちろん、勉強すること自体が自分自身のキャリアへの投資にもなるのですから、まさに一石二鳥でしょう。

 今年こそ婚活、と考えているハイスペック女子は、社外の学びの場をスケジュールに入れてみてはいかがでしょうか。
(文=矢島新子/産業医、山野美容芸術短期大学客員教授、ドクターズヘルスケア産業医事務所代表)

矢島新子/産業医

矢島新子/産業医

矢島新子
山野美容芸術短期大学客員教授。ドクターズヘルスケア産業医事務所代表。東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒。パリ第1大学大学院医療経済学修士、WHO健康都市プロジェクトコンサルタント、保健所勤務などを経て産業医事務所設立。10年にわたる東京女子医科大学附属女性生涯健康センターの女性外来、産業医として数千人の社員面談の経験より、働く女性のメンタルヘルスに詳しい。著書に『ハイスペック女子の憂鬱』(洋泉社新書)ほか。
株式会社ドクターズヘルスケア

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