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カーリング「そだねー」ばかり注目なら、凋落のなでしこジャパンの二の舞に…実は超奥深い!

文=土手克幸/スポーツライター

 そして、「やってみたい」という需要で考えれば、講習会や体験教室を開催する機会を増やすと同時に、遊び感覚で手軽にカーリングを楽しめる場を設けられるかが大切だ。現在、一般利用が可能なカーリング専用施設は北海道、青森、長野にしかなく、他県からカーリングのためだけに訪れるには、時間とコストを考えるとハードルが高い。

 しかし、実は東京や埼玉といった都市圏にも、カーリングができるスケート場は存在するのだ。1年ほど前、埼玉県のスケート場を訪れたことがある。カーリングシート2面分のリンクは、通常はスケートのサブリンクで、事前予約をすることでカーリング利用が可能。ただし、利用料金が1時間当たり1万2000円と高い。2チーム分8人で訪れても、1人当たり1時間1500円の計算だ。

 筆者が訪れた当日、メインリンクとサブリンクには多くの人がスケートを楽しむ光景があった。サブリンクの開放をやめてカーリング利用の準備を整えるのは、費用対効果が高いとはいえないため、この価格設定も仕方ないのかもしれない。しかし、カーリングの需要が高くなれば、状況も徐々に変わるかもしれない。サブリンクは隔日でカーリング開放。利用料金もお手頃。そんな日がくればいいと本気で思う。

 そんな未来をつくるために必要なのは、関心の需要に応える供給量の増加だ。マイナー競技は、競技人口に比例するように組織自体も決して大きくはない。多くのメディアに対するアピール活動を行うだけの組織の体力と、それを可能にするためのスポンサー獲得活動を積極的に行うことも必要だ。施設利用に対する各自治体への働きかけも大切になるだろう。現在、カーリング協会がある都道府県は23あるが、活発に行動できる協会は限られている。今後、カーリング協会のある自治体が増え、人員も確保されれば、講習会や体験教室を開催する機会も増やしやすくなるはずだ。

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 カーリング現地観戦歴2年ほどの駆け出しライターが言うのも生意気だが、メディア側も、知ろうとする人たちの需要に応え、またその需要が増えるような活動をしていかなくてはならないだろう。大きな大会で速報を出すメディアは多くても、シーズン通してカーリングを追いかけようというメディアは少ないのが現状だ。

「カーリングの面白さを伝えたい」
「プレーする選手たちの想いを伝えたい」
「カーリングの普及に、少しでも役に立てるように」

 そういう想いで記事を書くライターが1人ぐらい増えてもいい。私自身まだ実力は足りないかもしれないが、想いだけでなんのあてもなく現地に足を運んできた。そして、その想いはより一層強くなった。

 競技自体のエンターテインメント性を考えても、関心の高まりを考えても、カーリングにはメジャースポーツになる可能性がある。平昌五輪で多くの関心を集めた今、日本のカーリング界にとってチャンスである。この機会を無駄にしてはならない。彼らのがんばりに応えるためにも。
(文=土手克幸/スポーツライター)

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