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40~50代の「老前破産」が激増…「人並み」は高嶺の花に、投資など絶対NG?

構成=小野貴史/経済ジャーナリスト
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カードローンで個人の懐を狙う銀行

――また、銀行カードローンも危険ですね。窓口にパンフレットが置いてあり、行員が「いざというときに便利ですよ」と勧めてきます。セールストークのマニュアルに書かれているのではないでしょうか。

荻原 カードローンの営業にはノルマがありますからね。今、銀行は日本銀行のマイナス金利政策によって首を絞められているような状態で、生き残るためには3つの道しかありません。

 ひとつ目は“博打”を打つこと。金利が高いけれどリスクも高い商品の販売やM&Aなどに乗り出すことですが、これはやりたくありません。2つ目はカードローンの販売で、3つ目が投資商品の販売です。

 カードローンも投資商品も個人の懐を狙ったビジネスですが、特にカードローンは問題になっています。銀行カードローンの貸付残高は、12年の3兆5442億円から16年には5兆6024億円と、4年間で約5割も増えています。それに伴い、個人の自己破産件数は16年に6万4637件でピークの03年以来13年ぶりに増加しました。

 カードローンの与信を行っているのは消費者金融会社で、いわば“サラ金・銀行コンビ”で貸付を増やしているのです。かつて“サラ金地獄”が社会問題になったときは、銀行が裏で消費者金融に融資をしていましたが、今は銀行が表に出て消費者金融が裏でサポートするという関係になっています。

――主な消費者金融は銀行の子会社になっています。

荻原 そうです。行き詰まりつつある銀行によって、知らず知らずのうちに個人の懐が狙われています。銀行は誰がお金を持っているかを把握しているので、電話で投資信託などのセールスを行っています。ただし、株価が乱高下している現状では、この先の変動も見通すのは難しい。それなら、金銭的なリスクを取らない生き方を選んだほうが賢明ですよね。

「投資で増やす」という発想はNG

――50代にもなれば、資産を「増やす」よりも、むしろ「減らさない」ことを考えるべきではないですか?

荻原 それまでの人生で、投資など考えてこなかった人たちがほとんどでしょう。そういう人が50代になって、銀行の窓口で「投資するには、何がいいんでしょう?」と相談したりする(笑)。銀行からすれば、カモがネギを背負って鍋に飛び込んできたようなものです。

 しかも、投資をすれば常に相場に目配りしなければなりませんが、会社に勤めていたらそんな時間はありません。また、投資信託は運用手数料が2~3%にもなります。たとえば、手数料3%の場合は運用額が増えも減りもしなくても、25年もたてば手数料だけで500万~1000万円ぐらいかかることもあり得ます。それだけの手数料を払って、さらに利益を得るのは難しいのが現実です。

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